日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-TT 計測技術・研究手法

[H-TT23] 環境リモートセンシング

2016年5月23日(月) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 6ホール)

コンビーナ:*石内 鉄平(明石工業高等専門学校)、島崎 彦人(独立行政法人国立高等専門学校機構 木更津工業高等専門学校)、近藤 昭彦(千葉大学環境リモートセンシング研究センター)、作野 裕司(広島大学大学院工学研究院)、長谷川 均(国士舘大学文学部地理学教室)、桑原 祐史(茨城大学 広域水圏環境科学教育研究センター)

17:15 〜 18:30

[HTT23-P13] 衛星リモートセンシングによる北海道の積雪水量の推定

*佐藤 佑樹1野口 芽以1津江 大雅1浅野 弘靖1小林 ゆい1勘原 健矢1吉井 孝拓1渡辺 健介1,3今井 正尭1,3成瀬 延康1,2高橋 幸弘1,3 (1.北海道大学グローバルサイエンスキャンパス、2.北海道大学高等教育推進機構、3.北海道大学大学院理学研究院)

キーワード:リモートセンシング、積雪水量

豪雪地帯である北海道内に積雪量を観測できるアメダスの観測地点は、119地点のみであり、その多くの地点は市街地周辺に設置されている。これは北海道本島77984km2の積雪量を精密に観測するには不十分である。リモートセンシングは、こうした観測を補う最適な手法の一つであり、従来からマイクロ波長域の衛星画像解析から積雪量を知る方法がある。ただし、その場合には湿雪の場合の誤差が大きいという難点や、合成開口レーダーを用いない限り空間分解能が悪いという難点がある。一方、従来、可視・近赤外光波長域の衛星画像による観測だけでは、積雪の有無を確認することはできても、積雪量の観測は困難とされてきた。しかし、可視・近赤外光波長域の衛星画像は、一般に、空間分解能が高いことが多く、安価で入手も容易であることから、積雪量の面的把握に利用できれば、その水利価値・防災価値は大きい。さらに、積雪現象は地域差が大きく、将来的にドローンを利用した積雪量の把握も計画されうる。その際、可視・近赤外波長域を使用した衛星画像解析による面的な積雪量の把握法が確立できれば、その利点は大きい。
本研究では、可視・近赤外波長域の衛星画像解析による面的な積雪量把握の第一歩として、北海道における融雪量とその分布を衛星画像解析から推定することを目的とした。
まず、北海道北部にある忠別ダムに流入する河川流量と、Landsat-8衛星画像のその流域の平均輝度の季節変化との相関を調査したところ強い相関が示唆された。なお、ダムの流域は、地形図と数値標高データ(DEM)をもとに、230.5km2と算出された。これは公表流域面積238.9km2と誤差約3.5%であった。ただし、雲や地表の植生によって積雪量が過小・過大に評価されている可能性があるため、それらの補正方法について考察した。