11:15 〜 11:30
[HTT24-08] 都心における夜間景観のモデル化
キーワード:夜間景観、視距離の分割、モデル化
近年の急速な都市化に伴い、人々の夜間における生活時間が増加するといったライフスタイルの変化が生じている。このことから、これまで意識されていなかった高層建築の窓のあかりや、照らされた地物を眺めること、すなわち夜間景観が人々にとって日常的な景観のひとつとなっている。とくに都心部では建築、樹木、橋梁といったさまざまな地物をライトアップさせるなど、夜間においても良質な都市空間を創出する動きが数多く見受けられる。また、情報誌、テレビなどさまざまなメディアの影響によって夜間景観は人々にとって日常的な景観であるのと同時に国民共有の都市資産として認識されている。そこで本研究では、空間情報技術と空間データを融合的に活用することで都市デザイン・景観デザインに利用できる都心における夜間景観のモデル化を試みている。
近年の空間情報技術の飛躍的な発展に伴い、大規模で複雑な都市空間を簡便かつ実空間に忠実に表現できるようになった。現在ではそれらの技術を用い、景観シミュレーションを行うことで都市デザイン・景観デザインを行う際に大いに役立てている。しかし、それらは昼間を対象とした3次元都市モデルが主であり、夜間におけるモデルは多くはない。しかし夜間景観への関心がますます高まっている現在、夜間における3次元都市モデルを構築することは非常に意義があることだと考える。よって本研究では夜間景観を工学的に捉え、都市デザイン・景観デザインに利用できる夜間景観のモデル化を行うことを目的とする。
具体的な研究の方法としてはまず、夜間景観の眺めの方について分類し、本研究で取り扱う夜間景観のタイプを定める。夜間景観には工場夜景やイルミネーションといったさまざまなタイプが存在するが、その眺め方を大きく分けると、視点と対象との距離が長い夜間景観と視点と対象との距離が短い夜間景観に分けられることを把握した。本研究では人々にとって身近である視点と対象との距離が比較的短い近中景における夜間景観を対象とし、モデル化を行っていく。
つぎにモデル化を行うにあたってケーススタディとなる夜間景観の選定を行う。本研究での対象景観は都心のなかでも典型的な夜間景観を対象とする。近年、都心部では建物のみならず緑、橋梁などといったさまざまな地物がライトアップされている。以上のことから対象景観もさまざまな地物の照らされたあかりが見える景観を対象とする。
まず、ひかりのまちづくり企画推進委員会が発足されるなど夜間景観に関わる活動が活発に行われている大阪市の都心部を流れる河川流域を本研究の広域な対象地とした。その対象地周辺のライトアップされた地物を現地調査により把握しGIS上に定位した。結果、桜ノ宮公園がとくに照明を施された地物を多く眺めることができる場であると確認できた。よって桜ノ宮公園を対象視点場とし、そのなかで建築、ライトアップされた樹木、橋梁すべてを眺めることができる地点を可視・不可視分析や仰角分析といった景観分析を行って視点位置を定め、対象景観を見出した。
つぎに対象景観における夜間景観のモデル化を行っている。モデル構築の前段階として夜間景観の基盤となる3次元都市モデルを構築した。なお、この都市モデルは夜間において重要な視対象となる建物、樹木および橋梁から成っている。
そして光環境のモデルを構築する。そのためにまず、対象とした地物の夜間における見え方をそれぞれ把握し視距離の分割を行っている。建物については窓と壁面の明暗に着目し視距離の分割を行った。また樹木については昼夜間での樹冠の見えの大きさの割合し、それを見込む角度で視距離の分割を行った。橋梁については人々によく眺められる部材に着目し、その部材の見え方を把握することで視距離の分割を行った。
その分割した視距離に応じてモデルの精度を操作し、光環境モデルを構築した。そして都市空間モデルと光環境モデルを組み合わせることにより夜間景観のモデルを構築している。また構築したモデルを実空間の写真と比較を行い本研究のモデル化手法の蓋然性の高さを検証した。
本研究ではGISやCAD/CGといった空間情報技術を融合的に活用し、夜間景観モデルの構築を行った。夜間景観を工学的に捉えることで、蓋然性の高いモデルの構築ができ、さらに視距離に応じてLODを定めることで簡便なモデル化手法を提案することができた。今後の展開としては、他の対象地で夜間景観のモデルを構築し本研究で提案した夜間景観のモデル化手法の汎用性の検証に努めたいと考えている。
近年の空間情報技術の飛躍的な発展に伴い、大規模で複雑な都市空間を簡便かつ実空間に忠実に表現できるようになった。現在ではそれらの技術を用い、景観シミュレーションを行うことで都市デザイン・景観デザインを行う際に大いに役立てている。しかし、それらは昼間を対象とした3次元都市モデルが主であり、夜間におけるモデルは多くはない。しかし夜間景観への関心がますます高まっている現在、夜間における3次元都市モデルを構築することは非常に意義があることだと考える。よって本研究では夜間景観を工学的に捉え、都市デザイン・景観デザインに利用できる夜間景観のモデル化を行うことを目的とする。
具体的な研究の方法としてはまず、夜間景観の眺めの方について分類し、本研究で取り扱う夜間景観のタイプを定める。夜間景観には工場夜景やイルミネーションといったさまざまなタイプが存在するが、その眺め方を大きく分けると、視点と対象との距離が長い夜間景観と視点と対象との距離が短い夜間景観に分けられることを把握した。本研究では人々にとって身近である視点と対象との距離が比較的短い近中景における夜間景観を対象とし、モデル化を行っていく。
つぎにモデル化を行うにあたってケーススタディとなる夜間景観の選定を行う。本研究での対象景観は都心のなかでも典型的な夜間景観を対象とする。近年、都心部では建物のみならず緑、橋梁などといったさまざまな地物がライトアップされている。以上のことから対象景観もさまざまな地物の照らされたあかりが見える景観を対象とする。
まず、ひかりのまちづくり企画推進委員会が発足されるなど夜間景観に関わる活動が活発に行われている大阪市の都心部を流れる河川流域を本研究の広域な対象地とした。その対象地周辺のライトアップされた地物を現地調査により把握しGIS上に定位した。結果、桜ノ宮公園がとくに照明を施された地物を多く眺めることができる場であると確認できた。よって桜ノ宮公園を対象視点場とし、そのなかで建築、ライトアップされた樹木、橋梁すべてを眺めることができる地点を可視・不可視分析や仰角分析といった景観分析を行って視点位置を定め、対象景観を見出した。
つぎに対象景観における夜間景観のモデル化を行っている。モデル構築の前段階として夜間景観の基盤となる3次元都市モデルを構築した。なお、この都市モデルは夜間において重要な視対象となる建物、樹木および橋梁から成っている。
そして光環境のモデルを構築する。そのためにまず、対象とした地物の夜間における見え方をそれぞれ把握し視距離の分割を行っている。建物については窓と壁面の明暗に着目し視距離の分割を行った。また樹木については昼夜間での樹冠の見えの大きさの割合し、それを見込む角度で視距離の分割を行った。橋梁については人々によく眺められる部材に着目し、その部材の見え方を把握することで視距離の分割を行った。
その分割した視距離に応じてモデルの精度を操作し、光環境モデルを構築した。そして都市空間モデルと光環境モデルを組み合わせることにより夜間景観のモデルを構築している。また構築したモデルを実空間の写真と比較を行い本研究のモデル化手法の蓋然性の高さを検証した。
本研究ではGISやCAD/CGといった空間情報技術を融合的に活用し、夜間景観モデルの構築を行った。夜間景観を工学的に捉えることで、蓋然性の高いモデルの構築ができ、さらに視距離に応じてLODを定めることで簡便なモデル化手法を提案することができた。今後の展開としては、他の対象地で夜間景観のモデルを構築し本研究で提案した夜間景観のモデル化手法の汎用性の検証に努めたいと考えている。