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[MAG24-10] 河川に流出する放射性物質の濃度とフラックスと土地利用の関係
:チェルノブイリ調査との比較
キーワード:セシウム、福島、水系
河川・水系を通じて流下する放射性物質は,外部被ばく・内部被ばくの算定のためにもきわめて重要となる。近年,河川水系中において,浮遊砂,溶存体に含まれる放射性物質濃度は大きく減少しつつある。河川を通じた放射性セシウムの濃度の低下については,Smith (2004)を中心にヨーロッパの河川における濃度変化とその要因についてとりまとめられており,流域内の水域面積,土壌,土地利用との関連について示唆されているものの,実測値による検証は,あまりなされていないのが現状である。そこで本研究においては,上流の土地利用とそれぞれの土地利用から流出するセシウム濃度の変化,その寄与の算定から,河川を通じて流出する放射性物質濃度・フラックスの変化とその要因の推定,およびチェルノブイリの研究例との比較を行う。さらに,この算定に基づいた今後の放射性物質濃度の予測についても試みる。