10:45 〜 11:00
[MGI21-07] 3次元動的オブジェクト自動抽出・追跡法の開発と気象レーダデータによる局地的大雨解析への適用
キーワード:時空間、データマイニング、オブジェクト抽出、気象レーダ、モデリング
近年、フェーズドアレイ気象レーダ等の観測装置の開発によって雨雲の3次元構造を準リアルタイムで取得することが可能になってきた。フェーズドアレイ気象レーダでは10-30秒間隔という短い時間間隔でのデータ取得が可能なため、例えば局地的大雨の前兆現象であるファーストエコーから降水システムへの発達までを詳細にとらえることが期待出来る。
本研究では、時系列画像に対して開発されていた2次元多変量正規分布の混合分布によるオブジェクト抽出・追跡手法(Honda et al. 2002等) を3次元に拡張し、フェーズドアレイ気象レーダに適用してその効果を確認した。実験の結果、閾値30dBZ程度でサンプリングしたデータからは、局地的大雨の前のファーストエコーを単一のオブジェクトとしてとらえることができ、また発生後の成長の様子も多数の複雑な分布の重ね合わせによる成分数の増加としてとらえることを観察した。
この結果を予測に展開するためには発生した弱いエコーの大きな降水システムへの成長可能性を早期に判断することが必要であるが、これにはより多くのケースで事例からパターンを検討する必要が有る。また、急速に雨雲の状態が変化した場合には解の断絶がおこることが観察されたため、この問題に対する手法の改良も必要である。
また抽出した情報をスナップショット的オブジェクト、誕生から消滅までの歴史をもつオブジェクト、オブジェクトのファミリと言った階層構造で表現し、インタラクティブな検索、可視化を行うシステムの検討状況についても紹介する。
本研究では、時系列画像に対して開発されていた2次元多変量正規分布の混合分布によるオブジェクト抽出・追跡手法(Honda et al. 2002等) を3次元に拡張し、フェーズドアレイ気象レーダに適用してその効果を確認した。実験の結果、閾値30dBZ程度でサンプリングしたデータからは、局地的大雨の前のファーストエコーを単一のオブジェクトとしてとらえることができ、また発生後の成長の様子も多数の複雑な分布の重ね合わせによる成分数の増加としてとらえることを観察した。
この結果を予測に展開するためには発生した弱いエコーの大きな降水システムへの成長可能性を早期に判断することが必要であるが、これにはより多くのケースで事例からパターンを検討する必要が有る。また、急速に雨雲の状態が変化した場合には解の断絶がおこることが観察されたため、この問題に対する手法の改良も必要である。
また抽出した情報をスナップショット的オブジェクト、誕生から消滅までの歴史をもつオブジェクト、オブジェクトのファミリと言った階層構造で表現し、インタラクティブな検索、可視化を行うシステムの検討状況についても紹介する。