16:30 〜 16:45
[MIS08-05] 簡単な客観手法で作成した予測マップによる VHF電波伝播異常と地震発生の相関
キーワード:地震発生予測マップ、客観的手法
観測点周辺において発生する地震の発生前に、普段であれば電波が届かない遠くの放送局からのVHF帯 FM 放送波の散乱波が観測されることがあると報告されている (Moriya et al., 2010)。北海道大学では道内に12か所の観測点を設置しこの見通し外伝播と呼ばれる現象を観測している。本研究では、えりも観測点での見通し外FM放送局の受信強度のデータ約10年分から客観的手法で地震発生予測マップを作成し成績を評価した。6分間隔で取得されている観測データが2サンプル連続で閾値を上回ればその時刻を異常とみなし(Morita and Mogi, 2015, IUGG)、異常の後一定の期間Lの間警報をONにすることで、時空間を「警報ON」、「警報OFF」、「データ欠測などによる判定不能」の3つに分けた予測マップを作成した。
警報ONの期間の割合を警報分率r、地震のうち警報ONの期間に発生したものの割合をsとして、予測マップのゲインGをs/rで算出し、さらにp値も求めた。r,s ともに「判定不能」の期間は除外して算出した。多くのマップでG>1が得られ、最もp値が低かったのは、L = 4日として作成した予測マップをMw > 5の地震と比較した場合で、G = 2.1、p = 0.036であった。まだ有意性を確信できるレベルではないが、今後異常の抽出基準を整備することにより、VHFの見通し外伝播には地震の前兆が含まれることを証明できる可能性があると考える。
警報ONの期間の割合を警報分率r、地震のうち警報ONの期間に発生したものの割合をsとして、予測マップのゲインGをs/rで算出し、さらにp値も求めた。r,s ともに「判定不能」の期間は除外して算出した。多くのマップでG>1が得られ、最もp値が低かったのは、L = 4日として作成した予測マップをMw > 5の地震と比較した場合で、G = 2.1、p = 0.036であった。まだ有意性を確信できるレベルではないが、今後異常の抽出基準を整備することにより、VHFの見通し外伝播には地震の前兆が含まれることを証明できる可能性があると考える。