17:15 〜 18:30
[MIS09-P08] 北海道日高沖における間隙水、溶存ガス、堆積物の地球化学特性
北海道日高沖では海底面近傍に上越沖と同様にガスチムニーや後方散乱の強反射が確認されており、海底への卓越したメタン供給量によって特徴づけられる地形が発達している。本研究では7K14および7K15航海で日高沖の海域でガスチムニー周辺のほか海盆斜面部からグラビティコアラーで採取した堆積物および堆積物中の間隙水と溶存ガス濃度を測定し、主にメタンを中心とする反応に着目し、海底面近傍での海底環境とガスハイドレートの形成可能性について検証した。回収した堆積物にはガスハイドレートは含まれていなかったが、硫酸イオン濃度は嫌気的メタン酸化により浅部で急激に濃度が低下していると同時に、メタン濃度も高く、それらの濃度勾配から見積もられるメタン供給量は海鷹海脚や上越海丘の頂部に匹敵することが明らかになった。また、ガス湧出が見られる海底では炭酸塩が生成しやすいが、日高沖の堆積物の多くからはほとんど検出されず、海域によって表層堆積物中の化学的な環境が大きく異なっていることが示唆された。
本研究は経済産業省メタンハイドレート開発促進事業の一環として実施されたものである。
本研究は経済産業省メタンハイドレート開発促進事業の一環として実施されたものである。