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[MIS15-P11] アルゴフロートで観測された南大洋の渦
キーワード:南大洋、渦
南大洋を東向きに流れる世界最大の海流である南極環海流を遮る大陸は存在しない。すなわち南大洋上層には東西の圧力勾配によって駆動される大規模定常な地衡流は存在せず、西風によるエクマン輸送と傾圧不安定由来とされるメソスケール渦が南北輸送を担う。従来はこの渦の観測は海面高度計データによる表層の観測に限られてきたが、ここ数年コミュニティの努力によって増加してきた南大洋のアルゴフロートを用いた中層(1000 m 深)における渦の観測が可能になってきた。これらの渦は南極環海流と海底地形の相互作用が大きい数カ所に局在化している。これら「渦のホットスポット」では西風によって注入された東向き運動量が海底に向かって効率よく輸送されたり、線形傾圧不安定理論が教えるのと逆向きの渦輸送があるなど物理的に重要な現象が観測される。