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[MIS16-01] IODP Exp. 359報告:インド洋・モルディブ周辺海域の炭酸塩およびドリフト堆積物から読み解くモンスーンの進化および海水準変動
キーワード:モルディブ、モンスーン、炭酸塩、海水準変動
米国科学掘削船ジョイデスレゾリューション号による国際深海科学掘削計画(IODP)第359次研究航海が2015年10月〜11月の2ヶ月間実施された。本航海では、インド洋北部に位置するモルディブ周辺の新第三紀に相当する海底堆積物から、現在のモンスーンの始まりやその進化過程を海流の変化から解き明かすこと、同時に海水準変動も明らかにすることを目的としている。モンスーンによる風はモルディブを横切る海流の強さや向きに影響を与える。そしてその海流は同時に堆積物をモルディブ諸島の内側であるInner Seaへと運ぶため、流れが弱まるInner Seaではこのように風でコントロールされた海流によって運ばれたドリフト堆積物が堆積している。つまり、このドリフト堆積物の開始時期を調べることでモンスーンシステムの開始時期を推定することができ、堆積物を時系列で調べることでモンスーンの開始から現在までの変動過程を知ることができる。さらに、ドリフト堆積物堆積以前はモルディブの石灰質堆積物は海水準変動によりコントロールされていたと考えられるので、モンスーンの開始以前についての環境変動については、過去のリーフの発達過程を調べることで復元可能である。本発表では、本航海の掘削概要と船上で得られたデータをもとに航海の報告を行う予定である。