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[MIS16-16] IODP Exp. 360速報:南西インド洋海海嶺、超低速拡大海域の下部地殻—モホ掘削 (SloMo)
キーワード:IODP Exp. 360、アトランティス・バンク、スローモー、モホ、「ちきゅう」
IODP Exp. 360は、南西インド洋海嶺アトランティス・バンクにおいて、超低速拡大海域における下部地殻およびモホ面の実体解明の超深度掘削プロジェクト(SloMo)の第一レグという位置づけで2015年12月1日から2016年1月30日まで行われた。アトランティス・バンクは、アトランティスII断裂帯の東に位置する海洋コアコンプレックスの一つで、海洋下部地殻〜マントル最上部が直接海底面に露出している。Exp. 360では、Hole U1473Aにおいて下部地殻のガブロ層を海底下789.8mまで掘削することに成功した。これは、一回の航海で海底面から掘り始めた掘削孔としては、科学掘削史上最深記録である。そして、Hole U1473Aは、過去同海域で行ったODP Legs 118と176による掘削孔Hole 735B(1.5kmbsf)からおよそ2.2km北東、さらにODP Leg 179によるHole 1105A(158mbsf)から1.4km北に位置している。これら3本の掘削により、アトランティス・バンクの立体構造や岩体形成過程を推定することが出来るだろう。SloMoプロジェクトのPhase IIでは、海底下約6kmにあると考えられるモホ面を「ちきゅう」によって掘り抜くことを期待している。