17:15 〜 18:30
[MIS17-P01] 古気候記録の相互精密対比に向けた高精度な堆積物深度管理手法について
★招待講演
キーワード:日本海、水月湖、深度年代モデル
古気候・古海洋の時空間変動について議論する際、それぞれの古気候アーカイブにおいて、対象とする気候変動プロキシと独立な手法で高精度な深度年代モデルを確立することと、その年代モデルに基づいて複数のデータ・地点間の相互対比を高精度で行うことは必要不可欠である。年代に関しては、14C年代などの絶対年代、テフラや生層序などの相対年代を利用することで保証され、測定手法の進歩などによって精度の向上が図られてきた。
一方で、古気候プロキシデータ(古気候 vs. 深度)と年代データ(深度 vs. 年代)の間をつなぎ、古気候データに年代を与える(古気候 vs. 年代)役割を持つ深度自体の持つ誤差についても、正しく評価する必要がある。
例えば堆積物コア試料の場合、掘削や分割、時間経過などによって、大きい場合はcmスケールの変形や欠落が生じることがある。これによって生じる深度誤差は堆積速度にもよるが10~10000年ほどになり、近年の年代測定手法の発達による年代データの持つ誤差と比べて無視できない大きさとなる。したがって、精密な深度管理を行ってこれらの事象を把握、評価することで、古気候データの年代誤差制約に大きく貢献することが可能である。
若狭湾沿岸海域で行われたKR15-10航海では、日本海堆積物と水月湖堆積物の高精度年代対比、さらに水月湖を中心とした堆積物・コア間の対比ネットワーク確立を目的とし、複数の深度においてピストンコア採取を行った。この際、水月湖掘削(SG06/12/14)で確立した深度管理手法を応用し、データ間の深度の相互互換性を高精度で保証することを目指した。
具体的には、コア半割面の高解像度写真撮影と、コア試料処理の各プロセスにおける鍵層位置の記載にもとづいて、複数地点・ホール・半割コア・試料間の相互対比、相互補間、深度換算をソフトウェア上で行った。これにより、既存の、あるいは今後の分析で生じるすべてのサンプル位置およびデータ点に対して、それぞれのコアについて約1mm(日本海堆積物の場合、約10年に相当)の精度で共通の深度尺度を構築した。本航海で得た堆積物コアを用いて、複数地点間や周辺地域堆積物との相互対比のためにマイクロテフラの採取、分析が行われているが、これらのデータの深度管理についてもこの深度管理手法が適用されている。
今回の発表では、KR15-10航海において適用された深度管理手法および、今後の展望について紹介する。
一方で、古気候プロキシデータ(古気候 vs. 深度)と年代データ(深度 vs. 年代)の間をつなぎ、古気候データに年代を与える(古気候 vs. 年代)役割を持つ深度自体の持つ誤差についても、正しく評価する必要がある。
例えば堆積物コア試料の場合、掘削や分割、時間経過などによって、大きい場合はcmスケールの変形や欠落が生じることがある。これによって生じる深度誤差は堆積速度にもよるが10~10000年ほどになり、近年の年代測定手法の発達による年代データの持つ誤差と比べて無視できない大きさとなる。したがって、精密な深度管理を行ってこれらの事象を把握、評価することで、古気候データの年代誤差制約に大きく貢献することが可能である。
若狭湾沿岸海域で行われたKR15-10航海では、日本海堆積物と水月湖堆積物の高精度年代対比、さらに水月湖を中心とした堆積物・コア間の対比ネットワーク確立を目的とし、複数の深度においてピストンコア採取を行った。この際、水月湖掘削(SG06/12/14)で確立した深度管理手法を応用し、データ間の深度の相互互換性を高精度で保証することを目指した。
具体的には、コア半割面の高解像度写真撮影と、コア試料処理の各プロセスにおける鍵層位置の記載にもとづいて、複数地点・ホール・半割コア・試料間の相互対比、相互補間、深度換算をソフトウェア上で行った。これにより、既存の、あるいは今後の分析で生じるすべてのサンプル位置およびデータ点に対して、それぞれのコアについて約1mm(日本海堆積物の場合、約10年に相当)の精度で共通の深度尺度を構築した。本航海で得た堆積物コアを用いて、複数地点間や周辺地域堆積物との相互対比のためにマイクロテフラの採取、分析が行われているが、これらのデータの深度管理についてもこの深度管理手法が適用されている。
今回の発表では、KR15-10航海において適用された深度管理手法および、今後の展望について紹介する。