17:15 〜 18:30
[MIS34-P12] 2016年4月、熊本地震に先行した地震活動静穏化
キーワード:地震活動静穏化、熊本
東海大学では、空間(R)・時間(T)・地震の大きさ(M)についての重み付き解析法であるRTMアルゴリズム(Nagao et al., EPS, 2011)を用いて地震活動度解析を行っている。 この度、熊本地震に先行した明瞭な地震活動静穏化を抽出したので、ここに報告する。
RTMアルゴリズムの特徴は、時間・空間および地震規模について、長期間のバックグラウンドを計算し、差し引くという作業を行っているため、基本的には平常時には3つのパラメータの積(RxTxM)はほぼゼロとなる事が大きな特徴で、地震活動度の微小な変動を感度良く抽出する事ができる。これまで1995年兵庫県南部地震や、2007年能登半島地震や2008年岩手宮城内陸地震などでも明瞭な静穏化を検出している。また2011年東北地方太平洋沖地震でも震央を中心とした東北地方の広い領域で、2003年~2007年にわたる広域的な静穏化と2009年以降は震央を中心にプレート沈み込み方向に沿った地震活動の活性化の抽出に成功している。
熊本地震では、静穏化は2015年初頭から開始し、2016年3月にはほとんど元の状態に戻っていた。また静穏化の中心は震央付近ではなく、九州西方の海域であり、本震の震央は静穏化領域の端であった。これも過去の経験則と調和的な結果であった。図は静穏化が最も進行していた2015年10 月の様子である。
なお本研究は文部科学省による「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画」の一部支援と東海大学海洋研究所プロジェクト研究の一部支援を受けて実施されました。
RTMアルゴリズムの特徴は、時間・空間および地震規模について、長期間のバックグラウンドを計算し、差し引くという作業を行っているため、基本的には平常時には3つのパラメータの積(RxTxM)はほぼゼロとなる事が大きな特徴で、地震活動度の微小な変動を感度良く抽出する事ができる。これまで1995年兵庫県南部地震や、2007年能登半島地震や2008年岩手宮城内陸地震などでも明瞭な静穏化を検出している。また2011年東北地方太平洋沖地震でも震央を中心とした東北地方の広い領域で、2003年~2007年にわたる広域的な静穏化と2009年以降は震央を中心にプレート沈み込み方向に沿った地震活動の活性化の抽出に成功している。
熊本地震では、静穏化は2015年初頭から開始し、2016年3月にはほとんど元の状態に戻っていた。また静穏化の中心は震央付近ではなく、九州西方の海域であり、本震の震央は静穏化領域の端であった。これも過去の経験則と調和的な結果であった。図は静穏化が最も進行していた2015年10 月の様子である。
なお本研究は文部科学省による「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画」の一部支援と東海大学海洋研究所プロジェクト研究の一部支援を受けて実施されました。