日本地球惑星科学連合2016年大会

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ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS34] 2016年熊本地震および関連する地殻活動

2016年5月25日(水) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 6ホール)

17:15 〜 18:30

[MIS34-P78] 熊本地震震源域における最大振幅による減衰構造

*関根 秀太郎1 (1.地震予知総合研究振興会)

キーワード:減衰構造、Q

はじめに
減衰構造は,速度構造と違って非弾性的な観点から構造を見ることができると考えられる.そこで本研究では,気象庁一元化震源のカタログの読み取り値を用いた最大振幅からトモグラフィを行うことにより,熊本地震震源域の減衰構造を推定し,特徴をみることにした.

データおよび解析手法
気象庁一元化処理震源(1997年10月から2014年12月)までのMECHデータおよび1994年から1997年10月までの気象庁データのうち,M2.5からM5.5 までの震源のデータを使用した.なお,最大振幅データ出現時刻からP波由来によるものとS波由来によるものに分離し,周波数帯域は,最大振幅の出現周期から推定した. また,カタログデータの中には,メカニズムが決定されていないものも存在しているが,押し引きのデータから,メカニズム解を推定し,その解を用いている.水平方向のグリッド間隔は0.25度であり,深さ方向は5kmから20km毎に切って計算している.

結果
熊本地震の震源域は比較的浅い地震が多かったため,比較的解像度が良い部分で解くことができた.多くの地震はHigh-Qの領域で発生していた.また,九重から由布にかけての地域においてはLow-Qが広がっており,今回の一連の地震活動においても,あまり地震が発生していなかった.

謝辞
本研究では,国立研究開発法人防災科学技術研究所,北海道大学,弘前大学,東北大学,東京大学,名古屋大学,京都大学,高知大学,九州大学,鹿児島大学,気象庁,国立研究開発法人産業技術総合研究所,国土地理院,国立研究開発法人海洋研究開発機構,青森県,東京都,静岡県および神奈川県温泉地額研究所の検測値データを用いました.

参考文献
S.Sekine (2005): Tomographic Inversion of Ground Motion Amplitudes for the 3-D Attenuation Structure beneath the Japanese Islands, Report of the National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention, 68, 137-174