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[MIS34-P91] 2016年4月16日Mw7.0熊本地震に伴う地表地震断層の極近傍における地震被害状況について
キーワード:地表断層、地震被害、熊本地震
2016年4月14日に発生したMw6.2熊本地震に続いて、4月16日未明にMw7.0の地震が発生した。両地震では最大震度7が観測された。4月14日の地震は日奈久断層の北部の活動によるもので、4月16日の地震は主に布田川断層によって起きたものとされている。4月16日の地震では、地表断層が確認されており、被害も4月14日の地震で被災した益城町、熊本市に加えて、さらに西原村や南阿蘇村など広範囲に及んだ。本研究では、地震被害と地表断層との関係を確認するため、2016年5月6日~8日の間に、これまでの調査で調べられている地表断層の位置をたどりながら、地表断層の新たな痕跡を探して、その周辺の建物被害状況の確認を行った。調査方法は主に建物の概観の目視調査により行った。地表断層は緯度・経度や走向などの位置情報を記録した。調査範囲は主に布田川断層帯に沿って、益城町福原、宮園、下陣、上陣、杉堂、西原村の大切畑ダム周辺、南阿蘇村の河陽地区などを対象とした。本発表では、調査の結果について報告するもので、主に以下のことが確認できた。(1)益城町に位置する布田川断層帯における調査地点は、被害の最も大きい益城町中心部からやや離れている。(2)全般的に、地表断層の極近傍では、比較的建築年代が古く、外観上耐震性能が低いと判断される建物に被害が多い傾向が見られた。一方、比較的建築年代が新しく、外観上耐震性能が高いと判断される建物には被害が少ない傾向が見られた。(3)益城町などにおける地表断層の直上やその極近傍では、比較的建築年代が新しい建物では大きく変形する被害は見られなかった。南阿蘇村の断層直上やその近傍では、比較的建築年代が新しい建物にも大きく変形する被害事例が見られた。今後詳細な調査が必要と考えられる。