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[MIS34-P54] 2016年熊本地震の「前震」に伴う益城町島田・小池~嘉島町井寺付近の地表変形
キーワード:活断層、変動地形学、古地震学
2016年熊本地震においては,4月16日の01:25に発生した「本震」(気象庁マグニチュード7.3)に伴って,地震前から知られていた布田川・日奈久断層の北東部にほぼ沿う形で明瞭な地表地震断層が出現した.一方で,本震の約28時間前(14日21:26)に発生した同6.5の「前震」に伴っても,地表地震断層と考えられる地表変形が,布田川・日奈久断層北東部の一部に生じていた.このことは,発表者のひとりである杉戸が上益城郡益城町島田・小池~同嘉島町井寺付近について,前震の翌日(15日)に上空からの観察によって確認した.この地表変形は,同じく15日に現地に入った後藤・熊原・中田・楮原によっても確かめられている.そしてこの地表変形と同じ場所において,本震に伴って変位が生じており,前震に伴う地表変位の生じた場所で,2度の変位が確認,記録された.本震後の調査によって,布田川断層南部に沿う他の地域でも,前震に伴って地表変形が出現し,本震に伴って成長した地点が確認された.本発表では主に島田・小池~井寺付近について,前震および本震に伴う地表変形の分布と出現形態,変位量等の具体的かつ詳細な検討を行う.[謝辞]現地調査では多くの方にお世話になった.上空からの観察は朝日新聞社ヘリによる.国土地理院には地震後に撮影された航空写真を提供いただいた.以上記して感謝いたします.なお調査に際しては,JSPS科研費16H06298および文部科学省「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画」の支援を受けた.