[M-IS34] 2016年熊本地震および関連する地殻活動

[MIS34-P55] 空中写真判読による平成28年（2016年）熊本地震で発生した地表の亀裂分布

*中埜 貴元¹、宇根 寛¹、関口 辰夫¹、坂井 尚登¹、吉田 一希¹ (1.国土交通省国土地理院)

キーワード：平成28年（2016年）熊本地震、亀裂、地表地震断層、活断層、重力性変形

2016年4月14日及び4月16日に発生した平成28年（2016年）熊本地震では，家屋倒壊や斜面崩壊など，甚大な被害が生じた．4月16日のM7.3の地震では，既知の布田川断層帯および日奈久断層帯に沿って地表地震断層が出現するとともに，南阿蘇村河陽地区周辺ではこれまで認識されていなかった活断層が出現した．
国土地理院は，この地震の被災地を対象に，4月15日から空中写真撮影を実施した．4月16日以降撮影の空中写真では，阿蘇市から御船町にかけて多数の地表の亀裂が確認できたため，それらを判読し，マッピングした．そのうちの一部（4月16日撮影の西原地区の範囲）は，地理院地図で公表済みであるが，本発表では4月16～20日に撮影された空中写真の判読による，より広域の地表の亀裂分布図を掲示する．なお，この亀裂には地表地震断層のほか，斜面の重力性変形や低地の液状化，地震動そのものによる地盤の亀裂等が含まれている．また，道路面の細かな亀裂や斜面崩壊周辺の多数の亀裂については，すべては取得していない．この亀裂の判読作業は，発表者らのほか，国土地理院応用地理部の関係者が実施した．