日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-TT 計測技術・研究手法

[M-TT29] ソーシャルメディアと地球惑星科学

2016年5月22日(日) 10:45 〜 12:15 301A (3F)

コンビーナ:*天野 一男(茨城大学理学部地球生命環境科学科)、小口 高(東京大学空間情報科学研究センター)、伊藤 昌毅(東京大学生産技術研究所)、山本 佳世子(国立大学法人 電気通信大学)、座長:天野 一男(茨城大学理学部地球生命環境科学科)、伊藤 昌毅(東京大学生産技術研究所)

12:00 〜 12:15

[MTT29-06] 地球科学におけるSNSを活用した集合知形成の試み

*天野 一男1 (1.日本大学文理学部自然科学研究所)

キーワード:集合知、フェイスブック、ジオパーク

インターネットの普及にともない多数のアマチュアの知の集積による新たな知の展開の可能性が論じられている(西垣, 2013など).本講演では,地球科学の普及に関連する分野であるジオパークを例に,ソーシャルメディアを活用して,集合知形成の試みについて紹介するとともに課題について考察する.
ジオパーク活動の中核は,ガイド(茨城県北ジオパークではインタープリターと呼ぶ)である.近年,ガイドはジオパークにおけるジオツアーの案内をするだけでなく,その運営にも積極的に携わるようになっている.ガイドは様々な社会的階層に属するとともに価値観も多様である.ジオパーク事業は,単に地球科学の知識を普及することだけが目的でなく,地域の文化や歴史なども含めて展開されることが求められている.その為には様々な面で多様なガイドのアイデアを集約し,事業に生かすことが必要不可欠である.
演者は茨城県北ジオパークで,Facebookを活用して,ガイド(インタープリター)の意見交換,意見の集約を図る試みを行った.意見集約という点では必ずしも成功していないが,その活動から見えてきた課題も見えてきた.現在までに地球科学分野において,SNSを活用した集合知の形成といった試みはほとんどなされていないが,今回紹介するジオパークでの試みは一つの出発点となるものと考える.

引用文献:西垣 通, 2013, 集合知とは何か(ネット時代の「知」のゆくえ). 中公新書2203, 220pp., 中央公論新社,東京.