13:45 〜 15:15
[O02-P33] 震源断層の応力分布の可視化 ~長門峡の河床露頭を例にして~
キーワード:徳佐ー地福断層、応力、可視化
私たちは、徳佐-地福断層が活動した際に岩石にかかった応力を再現するため、研究を行った。断層を動かした応力は消えて測定できないが、その時生じた岩石の割れ目のサイズは、かかった応力の大きさと関連しているので、「岩に残るクラックの密度をもとに、かかった応力の相対的分布が再現できる」と仮説を立て、断層付近の岩に観察されるクラック密度および、断層面からの距離を計測した。まず母岩上の測定ラインを選び、クラック10本あたりの長さを測定し、その後、断層に直交するライン上の値となるように補正し、クラック密度とした。
その結果、クラック密度は断層面に近いほど大きくなり、離れるほど小さくなり、フラクタル分布をとることが分かり、フラクタル次元は0.5となった。
よって、応力は断層のせん断部分に集中し、距離の平方根に反比例して減衰したと考えた。これは破壊力学の分野で用いられているグリフィスクラックモデルの応力の理論値に近いと思われる。
以上のことから、クラック密度の計測により、相対的な応力分布が再現できたと考えている。
相対的な応力の分布が0.5のフラクタル次元をもつことは、ほぼ弾性体として振る舞うと考えられてきた地殻内部にも、クラック(岩石内の空隙)がフラクタルに存在することや、断層活動における破壊時にはクラックの先端に応力集中が起き、クラックの成長により母岩が破壊されることを示唆している。
また、身近な物体の破壊にもフラクタル分布が現れることを、アオサエビセンを例として示した。
その結果、クラック密度は断層面に近いほど大きくなり、離れるほど小さくなり、フラクタル分布をとることが分かり、フラクタル次元は0.5となった。
よって、応力は断層のせん断部分に集中し、距離の平方根に反比例して減衰したと考えた。これは破壊力学の分野で用いられているグリフィスクラックモデルの応力の理論値に近いと思われる。
以上のことから、クラック密度の計測により、相対的な応力分布が再現できたと考えている。
相対的な応力の分布が0.5のフラクタル次元をもつことは、ほぼ弾性体として振る舞うと考えられてきた地殻内部にも、クラック(岩石内の空隙)がフラクタルに存在することや、断層活動における破壊時にはクラックの先端に応力集中が起き、クラックの成長により母岩が破壊されることを示唆している。
また、身近な物体の破壊にもフラクタル分布が現れることを、アオサエビセンを例として示した。