17:15 〜 18:30
[O04-P17] ワークショップでジオツーリズムの抱える課題の解決策を探る
～第３回日本ジオパーク中部ブロック大会報告～
キーワード：ジオパーク、ジオツーリズム、課題解決、ワークショップ
ジオパークとは、地形・地質遺産を地域振興にも活かしていこうとする取組である。ジオパークの活動においてジオツーリズムは、教育、保全とともに中核的な活動の一つとして位置付けられている。しかし、ジオツーリズムについては多くのジオパークが課題を抱えており、その解決策を日々模索しているところである。
ジオツーリズムに関する課題を抱える地域が多い一つの要因として、地域ごとの事情が異なることにより画一的な解決策を採ることができないという、一つの特性が挙げられる。それゆえに、効果的な解決策を各ジオパークごとに模索する必要があり、それが効果的な解決策を見出しにくい一つの要因となっている。しかし、異なる地域、異なる立場の人間が意見交換し知恵を出し合えば、今までにない視点を得て、新たな解決策のヒントを見出すことは可能であると考える。
そこで、そのような視点に立ったワークショップを設けることはできないかと考え、２０１５年１１月１７～１８日に白山手取川ジオパークで第３回日本ジオパーク中部ブロック大会を開催し、中部ブロックの各ジオパークが今現実に抱えているジオツーリズムに関わる問題点の解決策を、グループディスカッションを通じて議論した。また２日目にはジオツアーを実施し、モニター調査を通じて白山手取川ジオパークのジオツアーの問題点を探るとともに、各自のジオパークで行っているジオツアーを改善させるためのヒントを模索した。
グループディスカッションでは、各ジオパークが現時点で実際に抱えている、ジオツアーの運営やジオガイド養成に関する‟お悩み”の解決策について議論し、その議題は各ジオパークに対する事前アンケートを経て決定した。アンケートでは、‟お悩み”の内容や、実現したいこと、課題の背景等について回答を求めた。その結果、８つのお悩みを議題とすることとし、それぞれの‟お悩み”ごとのグループに分かれて、その解決策について議論した。グループは、各６名程度で構成し、各グループにはそれぞれの議題となる‟お悩み”を抱えたジオパークから１名が参加し、お悩みの内容などを直接説明した。メンバーは、各ジオパークの事務局職員および各ジオパークで活動するガイド等で構成し、なるべく同じジオパーク同士が重複しないように配慮した。議論の内容は、各グループで模造紙に集約し、議論終了後にはその成果を参加者全員の前で発表した。
糸魚川ジオパークの‟お悩み”の解決策について議論したグループでは、ジオガイドの高齢化が深刻で、さらにジオガイドの仕事だけで生計を立てることは難しいという状況の中で、新規ガイドを養成するにはどうすればいいかという‟お悩み”に対して、エリア別などに区分してジオガイドを認定してはどうかという解決策が提案された。糸魚川ジオパークではジオガイドの質を高めるという目的から、ジオパーク検定等を通じてジオサイトをまんべんなく知っていることをガイド認定の条件としている。しかし、少しハードルを下げて、ジオサイトを普段守っている地元の方にジオパークの本質を知ってもらい、エリアごとのジオガイドをしてもらうという方法も一案だと気付かされた、と成果発表の中で糸魚川ジオパークからの参加者はコメントしていた。
ジオツアーでは、白山手取川ジオパークで実際に来訪者向けに催行している３種類のジオツアーを実施した。ジオツアー終盤にモニター調査を行い、参加したジオツアーの率直な感想や意見を参加者に求めた。モニター調査では、ジオツアー選択の動機、食事の満足度、ジオガイドの説明の分かりやすさ、ジオツアー全体の満足度などの項目について回答を求めた。その結果、古地図を使ってまちなみめぐりを行うジオツアーに参加した方からは、古地図からジオツアーがどう展開するのか見えにくかったといった当ジオパークでは気付くことのできなかった点を指摘する回答も見られた。また一方で、鮭の遡上と鮭料理を楽しむジオツアーに参加した方からは、地域の人を巻き込んでいる点を自分のジオパークでも取り入れてみたいといった回答が見られた。
今回の大会で実施したグループディスカッションは、各ジオパークが現実に抱える課題を議題としたため、議論に参加することで各々のジオパークがその解決策のヒントを得ることができた。また、実際にツアーの最前線で活動する各ジオパークのジオガイドも議論に参加したため、より現実的な解決策を各ジオパークは持ち帰ることができたものと思われる。
ジオツアーにおいても、ジオツアーに実際に参加することで、ジオツアーの良い点や悪い点に触れることにより、当ジオパークのみならず他のジオパークも、自らのジオツアーの問題解決に活かすことのできるヒントを得ることができただろう。
ジオツーリズムに関する課題を抱える地域が多い一つの要因として、地域ごとの事情が異なることにより画一的な解決策を採ることができないという、一つの特性が挙げられる。それゆえに、効果的な解決策を各ジオパークごとに模索する必要があり、それが効果的な解決策を見出しにくい一つの要因となっている。しかし、異なる地域、異なる立場の人間が意見交換し知恵を出し合えば、今までにない視点を得て、新たな解決策のヒントを見出すことは可能であると考える。
そこで、そのような視点に立ったワークショップを設けることはできないかと考え、２０１５年１１月１７～１８日に白山手取川ジオパークで第３回日本ジオパーク中部ブロック大会を開催し、中部ブロックの各ジオパークが今現実に抱えているジオツーリズムに関わる問題点の解決策を、グループディスカッションを通じて議論した。また２日目にはジオツアーを実施し、モニター調査を通じて白山手取川ジオパークのジオツアーの問題点を探るとともに、各自のジオパークで行っているジオツアーを改善させるためのヒントを模索した。
グループディスカッションでは、各ジオパークが現時点で実際に抱えている、ジオツアーの運営やジオガイド養成に関する‟お悩み”の解決策について議論し、その議題は各ジオパークに対する事前アンケートを経て決定した。アンケートでは、‟お悩み”の内容や、実現したいこと、課題の背景等について回答を求めた。その結果、８つのお悩みを議題とすることとし、それぞれの‟お悩み”ごとのグループに分かれて、その解決策について議論した。グループは、各６名程度で構成し、各グループにはそれぞれの議題となる‟お悩み”を抱えたジオパークから１名が参加し、お悩みの内容などを直接説明した。メンバーは、各ジオパークの事務局職員および各ジオパークで活動するガイド等で構成し、なるべく同じジオパーク同士が重複しないように配慮した。議論の内容は、各グループで模造紙に集約し、議論終了後にはその成果を参加者全員の前で発表した。
糸魚川ジオパークの‟お悩み”の解決策について議論したグループでは、ジオガイドの高齢化が深刻で、さらにジオガイドの仕事だけで生計を立てることは難しいという状況の中で、新規ガイドを養成するにはどうすればいいかという‟お悩み”に対して、エリア別などに区分してジオガイドを認定してはどうかという解決策が提案された。糸魚川ジオパークではジオガイドの質を高めるという目的から、ジオパーク検定等を通じてジオサイトをまんべんなく知っていることをガイド認定の条件としている。しかし、少しハードルを下げて、ジオサイトを普段守っている地元の方にジオパークの本質を知ってもらい、エリアごとのジオガイドをしてもらうという方法も一案だと気付かされた、と成果発表の中で糸魚川ジオパークからの参加者はコメントしていた。
ジオツアーでは、白山手取川ジオパークで実際に来訪者向けに催行している３種類のジオツアーを実施した。ジオツアー終盤にモニター調査を行い、参加したジオツアーの率直な感想や意見を参加者に求めた。モニター調査では、ジオツアー選択の動機、食事の満足度、ジオガイドの説明の分かりやすさ、ジオツアー全体の満足度などの項目について回答を求めた。その結果、古地図を使ってまちなみめぐりを行うジオツアーに参加した方からは、古地図からジオツアーがどう展開するのか見えにくかったといった当ジオパークでは気付くことのできなかった点を指摘する回答も見られた。また一方で、鮭の遡上と鮭料理を楽しむジオツアーに参加した方からは、地域の人を巻き込んでいる点を自分のジオパークでも取り入れてみたいといった回答が見られた。
今回の大会で実施したグループディスカッションは、各ジオパークが現実に抱える課題を議題としたため、議論に参加することで各々のジオパークがその解決策のヒントを得ることができた。また、実際にツアーの最前線で活動する各ジオパークのジオガイドも議論に参加したため、より現実的な解決策を各ジオパークは持ち帰ることができたものと思われる。
ジオツアーにおいても、ジオツアーに実際に参加することで、ジオツアーの良い点や悪い点に触れることにより、当ジオパークのみならず他のジオパークも、自らのジオツアーの問題解決に活かすことのできるヒントを得ることができただろう。