日本地球惑星科学連合2016年大会

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[O-04] ジオパークへ行こう

2016年5月22日(日) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 6ホール)

コンビーナ:*渡辺 真人(産業技術総合研究所地質情報研究部門)

17:15 〜 18:30

[O04-P35] 洞爺湖有珠山ジオパーク 変動する大地「洞爺湖有珠火山マイスター制度」

武川 正人1田仁 孝志1畑 吉晃1、*中谷 麻美1北越 美紀子1 (1.洞爺湖有珠山ジオパーク推進協議会)

キーワード:火山、人づくり、減災

北海道南西部に位置する洞爺湖有珠山ジオパークは「変動する大地との共生」をテーマにしている。活火山である有珠山は、山のふもとの温泉街を含め、火山の活動域が人の生活圏にきわめて近い。2000年の噴火では、山麓の国道や住宅の直下に火口が開き、約16000人が避難生活を強いられたが、蓄積されてきた火山活動のデータにより事前に噴火が予知され、噴火前に住民の避難が成功し、死傷者はださなかった。
この経験を生かして次の有珠山噴火に備えるためには、地域の減災力をさらに高める仕組みづくりが必要である。地域の主役「住民」の中でも、有珠山の特徴や過去の災害を理解し、次世代に伝える役割を担う人材を「火山マイスター」として認定する仕組み、それが「洞爺湖有珠火山マイスター」である。
北海道庁の主導により2008年に始まったこの制度は全国的にも類例がなく、マイスターは試行錯誤を繰り返しながら活動の幅を広げてきた。当初は50代以降の受験者・認定者が多数を占めたが、現在は10代から40代までの世代が増加している。火山マイスターの活動が地域で認知され、次世代マイスターの育成につながっていると言える。2000年の有珠山噴火から16年が経過し、地域内でも噴火の記憶は薄れつつある。次の噴火に備え、火山マイスターの活動が注目される。