16:15 〜 16:30
[PCG21-04] あかつきIR2カメラの初期成果
キーワード:金星大気、近赤外線、雲特性、一酸化炭素
探査機あかつきが2015年12月7日に金星周回軌道へ投入され、初期チェックアウトが続いている。IR2カメラは波長2um帯で金星大気の運動や微量気体の分布、雲の性質、生成・維持機構の解明などを目指す搭載機器である。
検出器は1024x1024画素のPtSi検出素子(17um画素ピッチ)であり、焦点距離84.2mm/F4のレンズ(ニコン)を組み合わせて12度四方 の視野をもつ。PtSi素子の暗電流を低く抑えるために検出器は65K程度、フィルターを含む光学系は190K以下に冷却して熱雑音を抑える。冷却には一 段スターリング冷凍機を用い、冷凍機の製造およびカメラ全体の組み立ては住友重機械工業が担当した。
金星観測用には4種類のフィルターを搭載している。波長1.735, 2.26, 2.32umは金星の夜面観測用である。これらはCO2大気の「窓」と呼ばれる領域で、相対的に大気吸収が弱く下層からの熱放射が漏れ出てくる。それにより雲のシルエットが見え、中下層大気の運動を可視化する。2.32umはCO吸収帯にあたり、2.26umとの差分により雲の影響を取り除き、CO分布とその時間変化を調べる。
波長2.02umは昼面用、CO2吸収を利用して雲頂の微細な凹凸を調べることができる。
本講演では初期チェックアウト中のデータ解析結果、最新のデータの紹介を行う。
検出器は1024x1024画素のPtSi検出素子(17um画素ピッチ)であり、焦点距離84.2mm/F4のレンズ(ニコン)を組み合わせて12度四方 の視野をもつ。PtSi素子の暗電流を低く抑えるために検出器は65K程度、フィルターを含む光学系は190K以下に冷却して熱雑音を抑える。冷却には一 段スターリング冷凍機を用い、冷凍機の製造およびカメラ全体の組み立ては住友重機械工業が担当した。
金星観測用には4種類のフィルターを搭載している。波長1.735, 2.26, 2.32umは金星の夜面観測用である。これらはCO2大気の「窓」と呼ばれる領域で、相対的に大気吸収が弱く下層からの熱放射が漏れ出てくる。それにより雲のシルエットが見え、中下層大気の運動を可視化する。2.32umはCO吸収帯にあたり、2.26umとの差分により雲の影響を取り除き、CO分布とその時間変化を調べる。
波長2.02umは昼面用、CO2吸収を利用して雲頂の微細な凹凸を調べることができる。
本講演では初期チェックアウト中のデータ解析結果、最新のデータの紹介を行う。