17:15 〜 18:30
[PEM06-P04] Direction of motion of reconnection X-lines and O-lines at the dayside magnetopause observed by the THEMIS spacecraft
キーワード:magnetic reconnection, magnetopause, flow reversal
地球磁気圏の昼側境界面における磁気リコネクションは、太陽風プラズマの質量、運動量、エネルギーが地球磁気圏への流入において最も重要な過程である。惑星間空間磁場 (IMF) と地球磁場は、磁気圏境界面の電流層内のXライン上においてつなぎ変わる。さらに、複数のXラインにおいて非定常な磁気リコネクションが起こると、2つのXラインの間で磁力線が閉じたOラインが形成される。XラインやOラインは、電子の反磁性ドリフトや磁気圏シースのフロー等によって移動する事が知られているが、この移動方向については完全には理解されておらず、磁気リコネクションの研究において重要な課題である。XラインやOラインの移動方向は、磁気リコネクションによって加速されたイオンジェットが存在するとき、ジェットの向きの反転の極性から知る事が出来る。Xラインからは外向きのジェットが吹き出し、Oラインへは、Oラインを挟む2つのXラインからのジェットが向かってくる。境界面内で北へ移動するXライン付近を考えると、衛星静止系で北向きから南向きのflow reversalが観測され、同じく北へ移動するOライン付近では、南向きから北向きのflow reversalが観測される。すなわち、flow reversalの極性が同じであっても、移動方向は構造の違いによって異なる。このため、flow reversalを観測した際、XラインとOラインを区別する必要があるが、Oラインを通過した場合、磁場圧、プラズマ圧の和である全圧の数nPaの上昇、境界面法線方向の磁場成分の逆転、シースにおける電子の磁力線平行及び反平行方向の双方向のピッチ角分布などの特徴から区別出来る。
今回、THEMIS衛星観測データに基づいて、Xライン、及びOラインの存在する位置と移動方向を調べた。THEMIS衛星は2007年2月の打ち上げ以来、2010年までA機からE機の5機で、2010年から2016年現在までA機、D機、E機の3機で地球磁気圏を編隊観測している。2007年から現在まで、THEMIS衛星によって観測された低エネルギーイオン及び磁場データのうち、磁気地方時刻が10時から14時の範囲の昼側磁気圏境界面付近で観測されたデータを用いた。境界面平行方向に、この領域のアルフベン速度である約150 km/s以上の流速を持ちリコネクションにより発生したと思われるイオンジェットの反転が見られたイベントについて、観測された位置や構造の移動方向について統計解析を行った。発表では、観測されたXライン、Oラインの移動方向に対する、IMFと地磁気のシア角であるクロックアングルや、地磁気双極子の傾きの影響について議論する。
今回、THEMIS衛星観測データに基づいて、Xライン、及びOラインの存在する位置と移動方向を調べた。THEMIS衛星は2007年2月の打ち上げ以来、2010年までA機からE機の5機で、2010年から2016年現在までA機、D機、E機の3機で地球磁気圏を編隊観測している。2007年から現在まで、THEMIS衛星によって観測された低エネルギーイオン及び磁場データのうち、磁気地方時刻が10時から14時の範囲の昼側磁気圏境界面付近で観測されたデータを用いた。境界面平行方向に、この領域のアルフベン速度である約150 km/s以上の流速を持ちリコネクションにより発生したと思われるイオンジェットの反転が見られたイベントについて、観測された位置や構造の移動方向について統計解析を行った。発表では、観測されたXライン、Oラインの移動方向に対する、IMFと地磁気のシア角であるクロックアングルや、地磁気双極子の傾きの影響について議論する。