日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

インターナショナルセッション(ポスター発表)

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-EM 太陽地球系科学・宇宙電磁気学・宇宙環境

[P-EM09] Study of coupling processes in solar-terrestrial system

2016年5月23日(月) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 6ホール)

コンビーナ:*山本 衛(京都大学生存圏研究所)、野澤 悟徳(名古屋大学宇宙地球環境研究所)、小川 泰信(国立極地研究所)、橋口 浩之(京都大学生存圏研究所)、吉川 顕正(九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門)

17:15 〜 18:30

[PEM09-P13] 脈動オーロラが起こすナトリウム密度変動の研究: 高速ナトリウムライダー観測

*高橋 透1津田 卓雄2細川 敬祐2野澤 悟徳3小川 泰信4川原 琢也5斎藤 徳人6和田 智之6川端 哲也3Hall Chris7 (1.電気通信大学宇宙・電磁環境研究センター、2.電気通信大学大学院情報理工学研究科、3.名古屋大学宇宙地球環境研究所、4.国立極地研究所、5.信州大学工学部、6.理化学研究所、7.トロムソ大学)

キーワード:ナトリウムライダー、脈動オーロラ

トロムソナトリウムライダーは2010年10月に観測を開始し,2016年2月現在までの冬季に計6シーズンの観測を行っている。これまで、EISCAT観測所に設置された観測機器との同時観測データを用いて、大気重力波の上方伝搬、イオン温度と中性大気温度の比較、スポラディックナトリウム層の生成機構など数分から数時間の時間スケールの現象を取り扱ってきた。
近年、高エネルギー電子を振り込ませる脈動オーロラが注目されつつある。脈動オーロラを起こす高エネルギー電子は高度100 km以下まで侵入し、衝突を介して中性大気にエネルギーを受け渡す。このエネルギーの授受に伴う中性大気の応答過程は未だに明らかになっていない。これは、明滅周期が10秒前後である脈動オーロラに対して、十分な時間分解能で中性大気を計測するような観測が行われていないことに大きな問題があるためである.
本研究では、高出力・高感度のトロムソナトリウムライダーのデータ取得系及び、レーザー制御系に改良を加え、現システムの時間分解能を1桁以上向上させることに挑戦した。国内で開発した改良データ記録システムを2016年1月にトロムソのライダーシステムに導入し、試験的な観測をすでに開始,現在では秒/サブ秒オーダーでのナトリウム密度計測に成功している。本発表では、2015年1月〜3月の試験的観測により得られたナトリウム密度の高時間分解能データの紹介を行う予定である。