15:30 〜 16:45
[SCG59-P13] 地震探査による若狭湾周辺~大和海盆西部の地殻構造
キーワード:日本海、大和海盆、地殻構造、反射法地震探査、海底地震計
文部科学省の地震防災研究戦略プロジェクトの一環としてスタートした「日本海地震・津波調査プロジェクト」において、海洋研究開発機構(JAMSTEC)は2014年から西南日本側の日本海における地殻構造探査を実施しており、2015年8月に若狭湾周辺から大和海盆西部にかけての海域で深海調査研究船「かいれい」を用いた地震探査を実施した。この調査海域では震源メカニズムが逆断層型から横ずれ断層型へ推移している領域に位置し(e.g., 三雲, 1990; Terakawa and Matsuura, 2010)、過去100年間に1952年大聖寺沖地震(MJ[気象庁マグニチュード]6.5)、1963年越前岬沖地震(MJ6.9)といったMJ6.5以上の地震が発生している。さらに、若狭湾から大和海盆に至る海域の中には、隠岐堆と呼ばれる高まりがあり、その南側に位置する縁辺台地、若狭海盆や隠岐トラフの縁辺部には連続した活断層が推定されている(e.g., 岡村(2013)・日本海における大規模地震に関する調査検討会(2014))。
一方、日本海は、日本海拡大時に形成された正断層が逆断層に転換するテクトニクス(インバージョンテクトニクス)による断層(e.g., Okamura et al., 1995)や地殻構造の境界域に発達している逆断層(e.g., No et al., 2014)が作用することによる地震断層の形成が多い。そのため、日本海における地震断層の研究において、日本海の構造発達史と地殻構造の関係をより進展させることが重要な鍵の1つである。特に、排他的経済水域の問題により、大和海盆が日本海で形成されている大きな海盆の中で唯一全域を調査することが可能な領域なので、「日本海地震・津波調査プロジェクト」によって大和海盆の地殻構造に関する研究を進展できれば、大和海盆の陸側縁辺部に発達する地震断層の議論に貢献できる。
本発表における地震探査では、マルチチャンネル反射法地震(MCS)探査を9測線、海底地震計(OBS)を用いた地震探査を1測線行った。MCS探査の主なデータ取得仕様は、発震間隔50 m、エアガン総容量最大7800 cu.in.(約128リットル)、エアガン動作圧力2000 psi(約14 MPa)、エアガン曳航深度10m、受振点間隔12.5 m、ストリーマーケーブル曳航深度12 m、ストリーマーケーブルのチャンネル数444、サンプリング間隔2 ms、記録長は16秒である。MCS測線のうちの1測線にOBS54台を設置し、エアガンを深度10mで曳航して、200m毎に発震した。日本海に設置したOBSは第五開洋丸(海洋エンジニアリング株式会社)で回収した。また、調査海域の南延長上は、同じプロジェクトにおいて東京大学地震研究所が行った地震探査測線(東京大学地震研究所, 2016)と接続し、さらに2004 年に南海トラフと近畿地方で実施された地震探査測線(Ito et al., 2006; Nakanishi et al., 2008)が位置している。将来、南海トラフから西南日本を縦断し、日本海に至る地殻構造イメージが得られ、南海トラフで生じることが予想される巨大地震と背弧側で生じる地震活動との関係を研究する上での基礎データとしても重要である。
今回の地震探査の暫定的な解析結果から、地殻構造における全体的な特徴や活構造が推定されている領域における基盤構造や堆積層のイメージングの結果を報告する。
一方、日本海は、日本海拡大時に形成された正断層が逆断層に転換するテクトニクス(インバージョンテクトニクス)による断層(e.g., Okamura et al., 1995)や地殻構造の境界域に発達している逆断層(e.g., No et al., 2014)が作用することによる地震断層の形成が多い。そのため、日本海における地震断層の研究において、日本海の構造発達史と地殻構造の関係をより進展させることが重要な鍵の1つである。特に、排他的経済水域の問題により、大和海盆が日本海で形成されている大きな海盆の中で唯一全域を調査することが可能な領域なので、「日本海地震・津波調査プロジェクト」によって大和海盆の地殻構造に関する研究を進展できれば、大和海盆の陸側縁辺部に発達する地震断層の議論に貢献できる。
本発表における地震探査では、マルチチャンネル反射法地震(MCS)探査を9測線、海底地震計(OBS)を用いた地震探査を1測線行った。MCS探査の主なデータ取得仕様は、発震間隔50 m、エアガン総容量最大7800 cu.in.(約128リットル)、エアガン動作圧力2000 psi(約14 MPa)、エアガン曳航深度10m、受振点間隔12.5 m、ストリーマーケーブル曳航深度12 m、ストリーマーケーブルのチャンネル数444、サンプリング間隔2 ms、記録長は16秒である。MCS測線のうちの1測線にOBS54台を設置し、エアガンを深度10mで曳航して、200m毎に発震した。日本海に設置したOBSは第五開洋丸(海洋エンジニアリング株式会社)で回収した。また、調査海域の南延長上は、同じプロジェクトにおいて東京大学地震研究所が行った地震探査測線(東京大学地震研究所, 2016)と接続し、さらに2004 年に南海トラフと近畿地方で実施された地震探査測線(Ito et al., 2006; Nakanishi et al., 2008)が位置している。将来、南海トラフから西南日本を縦断し、日本海に至る地殻構造イメージが得られ、南海トラフで生じることが予想される巨大地震と背弧側で生じる地震活動との関係を研究する上での基礎データとしても重要である。
今回の地震探査の暫定的な解析結果から、地殻構造における全体的な特徴や活構造が推定されている領域における基盤構造や堆積層のイメージングの結果を報告する。