15:30 〜 16:45
[SCG59-P15] 房総沖スロースリップ域での海底圧力計を用いた海底上下変動観測
キーワード:房総スロースリップ、圧力計、海底観測、上下変動
1.はじめに
地震による災害を軽減するためには、地震発生過程を解明し、地殻活動のシミュレーションを通じて地震発生予測を行うことが不可欠である。地震発生モデルを構築するためには、実際の地震にモデルを適用、予測し、実際とのずれからモデルを修正するという作業を繰り返す必要があるが、普通の地震に適用すると数百年以上の時間がかかってしまう。この作業を数年に1回発生する房総沖スロースリップ地震(SSE)を用いて行えば、モデルの検証、修正、確立が15年程度で出来ることになり、地震予測の実現に大きく近づく。本観測は、この研究を行う第1歩として、房総沖SSEのすべり領域を調べるために海底圧力計を用いて海底上下変動を捉えるものである。
2.観測と解析方法
観測は東大地震研所有の海底圧力計(OBP)を用いて行った。圧力計はParoscientific社の8B2000-2, 8B7000-2、レコーダには原子時計(Microsemi社SA.45sCSAC)を用いている。2013年9月観測船「白鳳丸」によって設置したOBP3台を、2015年7月観測船「なつしま」によって回収した。観測期間中、2013年12月から2014年1月にかけて房総沖SSEが発生している。
解析では、観測した圧力を水深に変換したのち、リサンプリング、潮汐変動除去、平滑化、観測点間の差分を取ることによる海洋変動除去、機器トレンド除去を行い、海底の上下変動成分を抜出すことを試みた。また、水温データとの相関部分の除去も試みた。
3.結果
現在解析の途中であるが、房総沖SSEに一番近い観測点KAP3で海底の上下変動を2013年12月から2014年1月にかけての房総沖SSEの前後で比較すると、変動は観測値の標準偏差の範囲内で、有意な変動は見られないようである。
謝辞
本研究の遂行にあたり、白鳳丸、なつしまを使用させていただきました。両船長以下、乗組員の方々に感謝します。本研究は科研費(25287109)の補助を受けました。
地震による災害を軽減するためには、地震発生過程を解明し、地殻活動のシミュレーションを通じて地震発生予測を行うことが不可欠である。地震発生モデルを構築するためには、実際の地震にモデルを適用、予測し、実際とのずれからモデルを修正するという作業を繰り返す必要があるが、普通の地震に適用すると数百年以上の時間がかかってしまう。この作業を数年に1回発生する房総沖スロースリップ地震(SSE)を用いて行えば、モデルの検証、修正、確立が15年程度で出来ることになり、地震予測の実現に大きく近づく。本観測は、この研究を行う第1歩として、房総沖SSEのすべり領域を調べるために海底圧力計を用いて海底上下変動を捉えるものである。
2.観測と解析方法
観測は東大地震研所有の海底圧力計(OBP)を用いて行った。圧力計はParoscientific社の8B2000-2, 8B7000-2、レコーダには原子時計(Microsemi社SA.45sCSAC)を用いている。2013年9月観測船「白鳳丸」によって設置したOBP3台を、2015年7月観測船「なつしま」によって回収した。観測期間中、2013年12月から2014年1月にかけて房総沖SSEが発生している。
解析では、観測した圧力を水深に変換したのち、リサンプリング、潮汐変動除去、平滑化、観測点間の差分を取ることによる海洋変動除去、機器トレンド除去を行い、海底の上下変動成分を抜出すことを試みた。また、水温データとの相関部分の除去も試みた。
3.結果
現在解析の途中であるが、房総沖SSEに一番近い観測点KAP3で海底の上下変動を2013年12月から2014年1月にかけての房総沖SSEの前後で比較すると、変動は観測値の標準偏差の範囲内で、有意な変動は見られないようである。
謝辞
本研究の遂行にあたり、白鳳丸、なつしまを使用させていただきました。両船長以下、乗組員の方々に感謝します。本研究は科研費(25287109)の補助を受けました。