日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-CG 固体地球科学複合領域・一般

[S-CG60] 地殻流体と地殻変動

2016年5月24日(火) 10:45 〜 12:15 A05 (アパホテル&リゾート 東京ベイ幕張)

コンビーナ:*小泉 尚嗣(滋賀県立大学環境科学部)、梅田 浩司(国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構 東濃地科学センター)、松本 則夫(産業技術総合研究所地質調査総合センター地震地下水研究グループ)、田中 秀実(東京大学大学院理学系研究科)、風早 康平(産業技術総合研究所活断層・火山研究部門)、角森 史昭(東京大学大学院理学系研究科地殻化学実験施設)、座長:小泉 尚嗣(滋賀県立大学環境科学部)、角森 史昭(東京大学大学院理学系研究科地殻化学実験施設)

11:45 〜 12:00

[SCG60-05] 東北地方におけるスラブ起源深部流体の上昇について

*風早 康平1東郷 洋子1高橋 浩1高橋 正明1安原 正也1佐藤 努1堀口 桂香1森川 徳敏1岩森 光2田中 秀実3 (1.産業技術総合研究所活断層・火山研究部門、2.海洋研究開発機構・地球内部物質循環研究分野、3.東京大学大学院理学系研究科)

キーワード:スラブ起源深部流体、東北日本弧、地下水

Li/Cl指標をスラブ由来の塩水検出に用いることにより,西南日本弧においては,広域に深層地下水にスラブ起源水が混入していることがわかっている(風早ほか,2014).本発表では,東北日本弧におけるスラブ起源水の分布について地下水の分析結果を用いて検討を行った結果を示す.東北日本弧では,西南日本弧におけるスラブ起源水の分布特徴が異なる.また,スラブ起源の端成分についても,分布特徴同様に違いがある.その原因は,主にプレート及びその沈み込み様式の違いにより説明が可能である.一方で,Li/Clを用いる手法には問題点が挙げられる.東北日本弧では,内陸においても古い海水が堆積盆地に存在し,スラブから地表付近の塩水地下水系に供給される熱水流体は検出できないという問題がある.東北日本弧では,天水ー海水ー続成水ースラブ起源水の複雑な混合を生じているため,より詳細かつ正確な地下水のLi, Cl, Br, Iの分析によるスラブ水の混合率を示すための手法について示す.