日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-EM 固体地球電磁気学

[S-EM34] 地磁気・古地磁気・岩石磁気

2016年5月24日(火) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 6ホール)

コンビーナ:*松島 政貴(東京工業大学大学院理工学研究科地球惑星科学専攻)、菅沼 悠介(国立極地研究所)

17:15 〜 18:30

[SEM34-P11] MIスピナー磁力計による残留磁化の不均一性の評価

*小玉 一人1 (1.高知大学海洋コア総合研究センター)

キーワード:スピナー磁力計、不均一残留磁化、多重極モーメント

磁気インピーダンスセンサー(Magneto-Impedance sensor: MIセンサー)を用いたスピナー磁力計を改良して、試料-センサー間の距離を調節したり、ローパスフィルターの遮断周波数を二段階(6Hz/20Hz)変更できるようにした。その結果、双極子モーメントに加えて、八重極(octopole)までの多重極モーメントの影響を測定できるようになった。センサー配置はこれまでどおり、ペアのMIセンサーを180度ずらした差動出力なので、四重極(quadrupole)などの偶数次項は減衰するが、奇数次項(特に八重極)の効果は強調される。こうした特性を評価するため、offset-dipoleを模した試料を作成し、それらのoffset量や磁化方向が出力波形に及ぼす影響を検討した。あわせてoffset-dipoleのモデル計算を行い、MIスピナーの測定結果が理論値とよく一致することを確認した。さらに比較のため、これらのoffset-dipole試料を既存のフラックスゲートスピナー磁力計(SMD-88)で測定した。その結果、offset-dipoleの方向・強度やoffsetの程度によって、MIスピナーとフラックスゲートスピナーとで磁化方向や強度が有意に異なることがわかった。その原因を考察するとともに、残留磁化の不均一性が測定に及ぼす一般的な影響、MIスピナーによる不均一の定量的評価方法や補正方法などを提案する。