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[SGD23-01] 「地球規模の測地基準座標系(GGRF)」推進のための国連ロードマップ
キーワード:地球規模の測地基準座標系、国連総会決議、全球統合測地観測システム
国連総会は,2015年2月26日,地球規模の測地基準座標系(GGRF)が社会,経済,科学に不可欠な基盤インフラであることを認めて,決議「持続可能な開発のための地球規模の測地基準座標系」を採択した.この決議は,測地学の分野で地球規模の連携した取り組みを行う重要性を初めて認めた国連総会決議で,加盟国に連携してGGRFの構築,維持を行うことを求めている.決議では,ロードマップを作成して決議を実行すること,途上国の技術,能力開発を強化すること,各国が責任を持って自国の測地観測を改善することなど,6つの決議文が採択された.決議は,国連地球規模の地理空間情報管理に関する専門家委員会(UNCE-GGIM)が設置した作業部会によって作成され,第4回のUNCE-GGIM会合,国連経済社会理事会で承認されたのち,フィジーを提案国として日本を含む52カ国の共同提案で総会に提出された.国土地理院は,当初から作業部会に加わり,決議案の作成に貢献するとともに,決議後は,GGRFを確実に構築・維持するため,ロードマップの作成に参加している.ロードマップでは,確実なGGRFの構築と維持に対して,現状でどのような課題があるかを分析するとともに,その課題を解決する方策を提案し,その先にどのような改善が行われ,さらに良いGGRFが構築されるのか,将来の展望を示している.作成したロードマップは,2016年8月にニューヨークで行われるUNCE-GGIMの第5回会合に提出され,議論ののちに採択されることが想定されている.発表では,決議の背景と意義を確認するとともに,GGRFの維持に向けたロードマップの概要を報告する.