日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-GD 測地学

[S-GD23] 測地学一般・GGOS

2016年5月23日(月) 09:00 〜 10:30 A05 (アパホテル&リゾート 東京ベイ幕張)

コンビーナ:*松尾 功二(国土地理院)、風間 卓仁(京都大学理学研究科)、川畑 亮二(国土交通省国土地理院)、座長:瀧口 博士(情報通信研究機構電磁波計測研究所)

10:00 〜 10:15

[SGD23-05] GNSS連続観測システム(GEONET)解析固定点座標算出手法の改良

*鎌苅 裕紀1山尾 裕美1畑中 雄樹1 (1.国土交通省国土地理院)

キーワード:GEONET、GNSS

国土地理院が提供する日々の座標値(F3)は、国際地球基準座標系ITRF2005に準拠して算出された、観測日におけるGEONET観測点の座標値であり、国内の地殻変動監視等に利用されている。座標値の推定は、24時間分の観測データとIGS最終暦等を用いてBernese v5.0で行っており、茨城県つくば市の観測点「つくば1」を固定点としている。(中川ほか、2009)。固定点の座標値は、別途日本周辺のIGS局を含めたGAMIT/GLOBKによる解析(以下、「固定点解析」という。)により決定しており、その際に特定のIGS局の位置をITRF2005の元期の座標値と速度から観測日の座標値を計算したもので拘束している。
しかし、IGS局の移設や2011年3月の東北地方太平洋沖地震による余効変動の影響等から、固定点解析において拘束しているIGS局(以下、「拘束点」という。)の数は当初と比較し、6割程度となっている。そのため、現行の固定点解析では、拘束点数が少ないことにより、特定の拘束点が欠測や機器交換等により解析から除外されると、その影響を大きく受け、安定した座標解が得られないことがある。
このような拘束点の欠測等による影響を緩和し、F3解を安定的に提供できるようにするため、拘束点とするIGS局の再選定を行い、新たに選定した20点程度のIGS局を解析の拘束点として算出した「つくば1」の座標値の安定性を評価した。その結果、欠測などに伴う拘束点の減少による影響が緩和され、安定した座標解が得られることを確認した。