11:00 〜 11:15
[SSS31-08] 活断層型地震のスケーリング式の再検討
キーワード:スケーリング、地殻内地震、断層モデル、地震被害想定
地殻内地震については、いくつかのスケーリング式が既に提案されている(例えば、松田(1975)、武村(1998)、入倉・三宅(2001)、田島ほか(2013)、Murotani et al. (2015))。松田(1975)および武村(1998)は、断層長さLとマグニチュードの関係を示す式であり、入倉・三宅(2001)、田島ほか(2013)およびMurotani et al. (2015)は断層面積と地震モーメントの関係を示す式である。
1) 松田 (1975): log L=0.6Mj-2.9
2) 武村 (1998): log L=0.75Mw-3.77 (6.8≤Mw)
3) 入倉・三宅 (2001): M0=(S/4.24×105)2×10-7 (6.5≤Mw<7.4)
4) 田島ほか (2013): M0=0.877×S×1011 (7.5≤Mw)
5) Murotani et al. (2015): M0=1.0×S×1011 (7.4≤Mw)
これらのスケーリング式は、1変数(断層長さLまたは断層面積S)に対して、地震モーメントまたはマグニチュードを求める式である。これらの式を用いて地震モーメントを求め、Mo=μDSおよびS=LWの関係式を用いて断層すべり量を求めると、スケーリング式によって断層すべり量Dに大きな差が生じる場合がある。例えば、L=50km、W=20kmの断層を想定した場合、入倉・三宅(2001)式ではMw=7.10、断層すべり量D=1.64mであるのに対して、武村(1998)の式を用いると、Mw=7.29、断層すべり量D=3.21mとなる。このようなすべり量の相違は、地震被害想定等においてスケーリング式を用いた場合に予測値に大きな影響を与えてしまう。
本研究では断層面積と断層すべり量(または断層長さ)の2変数に対する地震モーメントのスケーリング式を検討した。地震データは、入倉・三宅(2001)や武村(1998)で用いているデータと同じデータを用いた。得られた回帰直線に対する断層面積の残差ΔSと断層すべり量の残差ΔDの関係をプロットすると、断層面積Sと断層すべり量Dがそれぞれ独立ではなく、おおむねlogΔD=-logΔS(ΔD×ΔS=1)の関係となることがわかった。
1) 松田 (1975): log L=0.6Mj-2.9
2) 武村 (1998): log L=0.75Mw-3.77 (6.8≤Mw)
3) 入倉・三宅 (2001): M0=(S/4.24×105)2×10-7 (6.5≤Mw<7.4)
4) 田島ほか (2013): M0=0.877×S×1011 (7.5≤Mw)
5) Murotani et al. (2015): M0=1.0×S×1011 (7.4≤Mw)
これらのスケーリング式は、1変数(断層長さLまたは断層面積S)に対して、地震モーメントまたはマグニチュードを求める式である。これらの式を用いて地震モーメントを求め、Mo=μDSおよびS=LWの関係式を用いて断層すべり量を求めると、スケーリング式によって断層すべり量Dに大きな差が生じる場合がある。例えば、L=50km、W=20kmの断層を想定した場合、入倉・三宅(2001)式ではMw=7.10、断層すべり量D=1.64mであるのに対して、武村(1998)の式を用いると、Mw=7.29、断層すべり量D=3.21mとなる。このようなすべり量の相違は、地震被害想定等においてスケーリング式を用いた場合に予測値に大きな影響を与えてしまう。
本研究では断層面積と断層すべり量(または断層長さ)の2変数に対する地震モーメントのスケーリング式を検討した。地震データは、入倉・三宅(2001)や武村(1998)で用いているデータと同じデータを用いた。得られた回帰直線に対する断層面積の残差ΔSと断層すべり量の残差ΔDの関係をプロットすると、断層面積Sと断層すべり量Dがそれぞれ独立ではなく、おおむねlogΔD=-logΔS(ΔD×ΔS=1)の関係となることがわかった。