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[SVC47-P46] 火山活動活発化における地理空間情報の活用
キーワード:地理空間情報、地殻変動、SAR、被害状況の把握、UAV
日本は多くの活火山が存在する世界有数の火山大国である。近年、国内の火山の活動は非常に活発であり、2015年には、口永良部島、桜島、阿蘇山、箱根山などにおいて火山活動が活発化したため住民避難など社会的影響を及ぼした。火山災害から国民の生命、身体、財産を守るためには、迅速かつ的確な避難など被害を軽減するための対応が必要である。国土地理院は、災害対策基本法に基づく指定行政機関として、活動が活発化した火山に対して、被害の軽減に資する3つの地理空間情報を関係機関および国民に提供することで、被害軽減に努めている。本発表では、活動が活発化した火山に対して被害を軽減するためにどのような地理空間情報が活用されたかについて報告する。
一つ目は、地殻変動に関する地理空間情報である。火山活動の影響で生じる地殻変動は、地下のマグマの動きに起因するため噴火や収束の判断につながる重要な地理空間情報である。口永良部島および箱根山の事例においては、臨時観測点(REGMOS:Remote GNSS Monitoring System)を設置することで、GNSS連続観測を強化した。また、衛星SAR(ALOS-2)のデータを解析することで、地上に観測機器がない地域においても地殻変動を面的に捉えることが可能である。箱根山の事例においては大涌谷周辺の局所的な変動を捉えることでそれぞれ噴火警戒レベルを検討する上で重要な情報として活用された。さらに、桜島の事例では観測された地殻変動から変動源を推定することで過去の噴火で生じた被害と比較した災害対応が可能となった。これらの地殻変動に関する情報は、火山噴火予知連絡会等へ提供することで、関係者の的確な判断を支援した。
二つ目は、空中写真による被害状況に関する地理空間情報である。画像で現地の状況を把握できるため、災害対応において非常に重要な地理空間情報である。火山活動が活発化した際には有人飛行できる範囲は制限されるが、阿蘇山噴火の際に対応したように斜めから撮影した空中写真で火口周辺の状況を把握することができる。口永良部島の事例においては、無人航空機(UAV)を利用し全島の空中写真を撮影することで、より詳細な現地状況把握に努めた。撮影した画像から崩壊地や火砕流および泥流などの範囲を判読することで、被害の状況をわかりやすく表示した。また、光学衛星の2時期の画像を比較することで変化の見られる範囲を抽出した。これらの被害状況把握に関する地理空間情報は、関係機関において現地の全体像を把握した災害対応を可能とした。
三つ目は、地形や過去の災害など危険リスクを示した地図などの地理空間情報である。活発化した火山に対して、災害対応のオペレーションをする上で非常に重要な地理空間情報である。国土地理院では、防災関連施設等が記載された火山災害対策用図や詳細な火山地形がわかる陰影段彩図および立体地図などを関係機関および国民へ提供した。また、過去の溶岩流の分布などを記した火山土地条件図を提供することで過去と比較した対応を可能とした。これらの地理空間情報は、関係機関の円滑な災害対応を支援した。
火山活動の活発化に伴う災害対応において、地理空間情報は欠かすことのできない重要な情報である。国土地理院は、引き続き効果的な地理空間情報を提供することで、被害を軽減するための災害対応や救援救助・復旧復興活動を支援していく。
一つ目は、地殻変動に関する地理空間情報である。火山活動の影響で生じる地殻変動は、地下のマグマの動きに起因するため噴火や収束の判断につながる重要な地理空間情報である。口永良部島および箱根山の事例においては、臨時観測点(REGMOS:Remote GNSS Monitoring System)を設置することで、GNSS連続観測を強化した。また、衛星SAR(ALOS-2)のデータを解析することで、地上に観測機器がない地域においても地殻変動を面的に捉えることが可能である。箱根山の事例においては大涌谷周辺の局所的な変動を捉えることでそれぞれ噴火警戒レベルを検討する上で重要な情報として活用された。さらに、桜島の事例では観測された地殻変動から変動源を推定することで過去の噴火で生じた被害と比較した災害対応が可能となった。これらの地殻変動に関する情報は、火山噴火予知連絡会等へ提供することで、関係者の的確な判断を支援した。
二つ目は、空中写真による被害状況に関する地理空間情報である。画像で現地の状況を把握できるため、災害対応において非常に重要な地理空間情報である。火山活動が活発化した際には有人飛行できる範囲は制限されるが、阿蘇山噴火の際に対応したように斜めから撮影した空中写真で火口周辺の状況を把握することができる。口永良部島の事例においては、無人航空機(UAV)を利用し全島の空中写真を撮影することで、より詳細な現地状況把握に努めた。撮影した画像から崩壊地や火砕流および泥流などの範囲を判読することで、被害の状況をわかりやすく表示した。また、光学衛星の2時期の画像を比較することで変化の見られる範囲を抽出した。これらの被害状況把握に関する地理空間情報は、関係機関において現地の全体像を把握した災害対応を可能とした。
三つ目は、地形や過去の災害など危険リスクを示した地図などの地理空間情報である。活発化した火山に対して、災害対応のオペレーションをする上で非常に重要な地理空間情報である。国土地理院では、防災関連施設等が記載された火山災害対策用図や詳細な火山地形がわかる陰影段彩図および立体地図などを関係機関および国民へ提供した。また、過去の溶岩流の分布などを記した火山土地条件図を提供することで過去と比較した対応を可能とした。これらの地理空間情報は、関係機関の円滑な災害対応を支援した。
火山活動の活発化に伴う災害対応において、地理空間情報は欠かすことのできない重要な情報である。国土地理院は、引き続き効果的な地理空間情報を提供することで、被害を軽減するための災害対応や救援救助・復旧復興活動を支援していく。