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[ACG38-07] 北極低気圧の3次元構造と流跡線解析
キーワード:北極低気圧、2つの渦の結合、圏界面の垂れ下がり、エクマン摩擦、2次循環、寒冷核
本研究では、北極低気圧の構造と発達メカニズムを解明するために、筑波大学で開発された火山灰追跡PUFFモデルを改良して、3次元的な流跡線解析を行った。軸対称平均場における空気粒子の循環を解析するとともに、非定常な低気圧性渦の発達についてのラグランジュ的循環の特徴を詳細に分析した。その結果、北極上空の下部成層圏の極渦がもたらす圏界面の垂れ下がりと、対流圏を北上する温帯低気圧が持つTropopause foldingが結合し、上下の渦度が順圧構造になった時に、両者の相互作用により低気圧性渦度が急発達し、大気境界層でのエクマン収束と低気圧中心の上昇気流により寒気核が形成されて、温帯低気圧が北極低気圧化することを示した。本研究は、上下の渦の結合により一体化した順圧渦が、鉛直断面で2次循環を強化するというメカニズムが重要であることを明らかにした。