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[ACG41-09] みらいMR0704航海で観測された夏季の北部北太平洋における大気と海水のDMSとpCO2の経度分布
キーワード:ジメチルサルファイド、二酸化炭素、円石藻
2007年8月に北部北太平洋の北緯47度上の東経160度~西経120度で実施されたMR07-04航海において、大気と海水のDMSとCO2、および海水中のDMSP (DMSの前駆物質)の各濃度を測定した。また、測定データを用いて大気と海洋間のDMSとCO2のフラックスの経度分布を計算した。その結果、西経170度付近で表層海水中に高濃度のDMSとCO2が観測された。このとき低気圧による強風の影響も加わり、大気へのDMS放出量が大きな値であった。また、海水中のCO2分圧(pCO2)が大気のそれよりも高くなり、CO2が海洋から大気に放出されていた。この経度付近の海水中の高濃度のDMSとCO2をもたらした要因を調べたところ、海水の懸濁粒子中の生物由来のCa濃度が高く、円石藻の増加を示唆していた。円石藻はChl aあたりのDMSP濃度が高い種であり、その外側に石灰殻を形成するときに海水中にCO2を放出する。測定データと文献の情報を基に考察した結果、ひとつの仮説として、円石藻の増加により、気候への影響が相反するDMSとCO2の海水中濃度の増加、および大気への放出の増加をもたらしたと考えられる。