[AHW24-P08] 2016年熊本地震前後の熊本平野の地表変動
キーワード:干渉SAR解析、2016年熊本地震、熊本平野
地震後には、浸透性の変化や地殻応力変化に伴う地下水位変化が報告されているが、地震後に平野部で発生した地表変動はこのような地下水位変化を反映している可能性がある。本研究では、地表変動を面的に捉えられることに利点をもつ干渉SAR解析を用いて、2016年熊本地震前後の熊本平野周辺の地表変動量の推定を行った。地震前に取得されたデータとして、2007年1月7日から2011年3月5日に取得されたPALSARデータ20シーンを用いた。また、地震後に取得されたデータとして、2016年4月26日から2017年6月20日間に取得されたPALSAR-2データを8シーン用いた。
解析の結果、地震前に取得されたデータペアにおいては、熊本平野の海沿いの地域で年間約9 mmの沈下と考えられる衛星から遠ざかる方向の地表変動が継続して発生していることが分かった。また、熊本平野東部においては、季節により年間約5 mmの隆起と考えられる衛星に近づく方向の地表変動が観測された。一方、地震後の2016年5月から7月間には、布田川断層帯と日奈久断層帯の交差部分の北西において、約25 mmの沈下と考えられる衛星から遠ざかる方向の地表変動が推定された。この地表変動域は断層に沿って発生しているわけではなく、断層の一部から北西方向に大よそ楕円形を有していることが分かった。また、変動量は地震発生後に期間が経つにつれ小さくなっており、2016年12月以降のデータではこの地域に顕著な地表変動は推定されなかった。このような地表変動は、2016年熊本地震前には観測されておらず、断層帯との相関も小さいため、地震に伴う帯水層の影響を反映した地表変動である可能性があると考えている。
解析の結果、地震前に取得されたデータペアにおいては、熊本平野の海沿いの地域で年間約9 mmの沈下と考えられる衛星から遠ざかる方向の地表変動が継続して発生していることが分かった。また、熊本平野東部においては、季節により年間約5 mmの隆起と考えられる衛星に近づく方向の地表変動が観測された。一方、地震後の2016年5月から7月間には、布田川断層帯と日奈久断層帯の交差部分の北西において、約25 mmの沈下と考えられる衛星から遠ざかる方向の地表変動が推定された。この地表変動域は断層に沿って発生しているわけではなく、断層の一部から北西方向に大よそ楕円形を有していることが分かった。また、変動量は地震発生後に期間が経つにつれ小さくなっており、2016年12月以降のデータではこの地域に顕著な地表変動は推定されなかった。このような地表変動は、2016年熊本地震前には観測されておらず、断層帯との相関も小さいため、地震に伴う帯水層の影響を反映した地表変動である可能性があると考えている。