[HCG27-P04] 単孔式ボーリング調査による泥岩中の亀裂の水理学的連結性の評価
地層処分において単孔ボーリング調査により亀裂の水理学的連結性を評価することは重要だが、亀裂の水理学的連結性を評価することは一般には容易ではない。本発表では断層・亀裂の発達する泥岩層(声問層・稚内層:北海道幌延;Palfris層:スイスWellenberg)の地質・水理・地下水化学・岩盤力学のデータセットを提示し、亀裂の水理学的連結性を評価するための新たな方法論を提案する。本方法論は三つのステップから構成され、まず、1) 地層をダクティリティインデックス(DI:岩盤の平均有効応力を健岩部の引張強度で除した値)が2より大きい領域と2より小さい領域に区分し、2)それぞれの領域における亀裂の水理学的連結性を揚水(もしくは注水)試験より得られる水圧変化の解析およびその地質学的解釈により推定し、3)その推定結果を地層の間隙水圧と水質より検証する。最初のステップは断層のダメージゾーン亀裂の破壊モードがDI > 2領域とDI < 2領域で異なり、この違いが亀裂の水理学的連結性に有意な違いを与え得るため行う。二つ目のステップでは、semi-log水圧デリバティブがlog-logプロットにおいて中~後半の時間帯に約0.5~1.0の傾きを示す領域を亀裂の水理学的連結性に乏しい領域として認定する。三つ目のステップでは様々な方法が採用され得るが、本発表では異常間隙水圧が認められるかどうか、そして若い外部由来の地下水が混入しているかどうかにより、推定した亀裂の水理学的連結性の検証を行った。本方法論を声問層・稚内層・Palfris層に適用した結果、その適用性・信頼性を確認することが出来た。