日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[EE] Eveningポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-TT 計測技術・研究手法

[M-TT35] 高精細地形・地球物理データ解析

2018年5月20日(日) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7ホール)

コンビーナ:早川 裕弌(東京大学空間情報科学研究センター)、Gomez Christopher(神戸大学 海事科学部 海域火山リスク科学研究室)、楠本 成寿(富山大学大学院理工学研究部(理学))

[MTT35-P01] 阿蘇仙酔峡地域における2016年熊本地震による斜面崩壊の空間分布

*羽田 康孝1小口 高2早川 裕弌2齋藤 仁3内山 庄一郎4 (1.東京大学大学院新領域創成科学研究科、2.東京大学空間情報科学研究センター、3.関東学院大学 経済学部、4.国立研究開発法人防災科学技術研究所)

キーワード:2016年熊本地震、無人航空機(ドローン)、地上レーザ測量、斜面崩壊、高解像度地形情報

2016年熊本地震によって,熊本県阿蘇地域では多数の斜面崩壊が発生した。この地域において2016年熊本地震が地形変化に与えた影響を検討するために,無人航空機による空撮と地上レーザ測量による地形計測を行い,崩壊斜面の地表面形状を取得した。地上レーザ測量の結果を用いて標高の変化量や縦断面形状に基づく解析を行ったところ,崩壊深は最大で約6 mで,これは豪雨による過去の斜面崩壊よりも深い傾向があることがわかった。縦断面の形状については,豪雨による崩壊が直線的であるのに対し,今回の崩壊はやや湾曲しており,従来と異なるすべり面,崩壊様式によって生じた可能性が示唆された。本発表では,地震による斜面崩壊をより定量的に評価するために,UAVによる空撮画像から作成した複数の崩壊斜面を含む数値表層モデルを用いて標高や傾斜角などの地形情報を算出し,崩壊地の空間分布の特徴を検討する。