[SSS15-P10] 地震波干渉法に基づくスロー地震に伴う波動場の時空間変化
キーワード:地震波干渉法、スロースリップ、常時微動
大地震に伴う地震波速度変化の検出に有効な手法の一つとして地震波干渉法が挙げられる.これまでに地震波干渉法によって様々な地域で大地震に伴う地震波速度低下が検出されてきた(例えば,Wegler et al., 2009; Zhen and Song, 2009; Sawazaki et al., 2016; Nimiya et al., 2017).通常の地震以外にもスロー地震の一種であるスロースリップ(Slow Slip Event: SSE)に伴う地震波速度変化が検出されているが,その事例は少ない(Rivet et al., 2011, 2014).
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(Mw9.0)に先行して同年1月末から3月9日の最大前震(Mw7.3)発生までの間にSSEおよび低周波微動が宮城沖で観測された(Ito et al., 2013; Ito et al.,2015; Katakami et al., 2016).本研究では,常時微動を用いて地震波干渉法解析を行い,自己相関関数(Auto Correlation Function: ACF)の時間変化から波動場の時間変化を推測した.解析にはSSE発生前から宮城県沖に設置されていた17点の自己浮上式海底地震計(固有周波数4.5Hz,サンプリング周波数100Hz)の記録を用いた.
波動場の時間変化の検出に用いたACFは以下の手順で作成した.はじめに,連続波形記録に周波数領域で0.25~2.0Hzのバンドパスフィルタを適用した後,時間領域で1bit化処理を行った.次に,1bit化処理までを施した波形から120秒間のACFを時間領域で算出した.最後に,連続した15日間のACFのアンサンブル平均を求めて,基準となるACFと比較した.ここで基準となるACFとして,観測期間全ての記録を用いて算出された120秒間のACFのアンサンブル平均を用いた.
15日間のACFのアンサンブル平均の時間変化から,SSE発生初期から中期にかけてSSE発生領域の陸側で地震波速度が低下していく過程とSSE発生領域の海溝側で地震波速度が上昇していく過程を検出した.また,低周波微動に伴って常時微動を形成する波源分布が変化している可能性が高く,これはACFの時間変化から低周波微動を検出できる可能性を示唆する.
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(Mw9.0)に先行して同年1月末から3月9日の最大前震(Mw7.3)発生までの間にSSEおよび低周波微動が宮城沖で観測された(Ito et al., 2013; Ito et al.,2015; Katakami et al., 2016).本研究では,常時微動を用いて地震波干渉法解析を行い,自己相関関数(Auto Correlation Function: ACF)の時間変化から波動場の時間変化を推測した.解析にはSSE発生前から宮城県沖に設置されていた17点の自己浮上式海底地震計(固有周波数4.5Hz,サンプリング周波数100Hz)の記録を用いた.
波動場の時間変化の検出に用いたACFは以下の手順で作成した.はじめに,連続波形記録に周波数領域で0.25~2.0Hzのバンドパスフィルタを適用した後,時間領域で1bit化処理を行った.次に,1bit化処理までを施した波形から120秒間のACFを時間領域で算出した.最後に,連続した15日間のACFのアンサンブル平均を求めて,基準となるACFと比較した.ここで基準となるACFとして,観測期間全ての記録を用いて算出された120秒間のACFのアンサンブル平均を用いた.
15日間のACFのアンサンブル平均の時間変化から,SSE発生初期から中期にかけてSSE発生領域の陸側で地震波速度が低下していく過程とSSE発生領域の海溝側で地震波速度が上昇していく過程を検出した.また,低周波微動に伴って常時微動を形成する波源分布が変化している可能性が高く,これはACFの時間変化から低周波微動を検出できる可能性を示唆する.