[STT48-P05] 時系列干渉SARデータを用いた熊本地震2016以降の地盤変動検出
キーワード:SAR、kumamoto earthquake
本研究で使用した干渉SAR処理とは、合成開口レーダー(SAR)が観測した二時期の画像の位相差から地表面の変動量を計測する技術である。この技術の応用性は高く、地震による地盤変動以外にも、活火山など人が立ち入れない場所の変動や、森林伐採による森林減少地域の発見などにも用いられている。
2016年4月14日、熊本県熊本地方を震源としたマグニチュード6.2の地震が発生した。さらにその二日後の4月16日、より大きいマグニチュード7.3、7.0の地震(本震)が発生し、熊本県を中心に九州全体に甚大な被害をもたらした。4月16日の本震は布田川断層帯の活動によるものであり、阿蘇カルデラ内で大きな地殻変動が検出された。特に阿蘇市での局所的な変動が注目され、阿蘇市内牧、狩尾、的石での大きな変動について研究が進められている。
我々は4月16日以降から現在にかけての合成開口レーダー(SAR)が得た阿蘇市周辺のデータを用い、その変動量の検出と精度検証を行った。本研究で実際に用いた最も古いデータは5月2日であり4月16日からは約半月のインターバルがあるが、5月2日以降も阿蘇市では度々震度3以上の地震が計測されており、それらの地震と地盤変動との関係について調べるため、観測地点の選定については画像内にある国土地理院の電子基準点の数だけ選んだ。その数はAscendingの画像内で10か所、Descendingの画像内で12か所となった。各々の変動量をグラフ化し、国土地理院の水準測量と比較したところ、大きいところで約4cmの差異を得た。しかし、小さいところだと1cm未満のもあり、その数も少なくなかった。このことから、合成開口レーダーの差分干渉解析での地震後の定期的な観測による地盤変動量の検出と発見について有意であるとし、今後は誤差の減少とキャリブレーションによる、より正確な地盤変動量の検出に繋げていきたい。
2016年4月14日、熊本県熊本地方を震源としたマグニチュード6.2の地震が発生した。さらにその二日後の4月16日、より大きいマグニチュード7.3、7.0の地震(本震)が発生し、熊本県を中心に九州全体に甚大な被害をもたらした。4月16日の本震は布田川断層帯の活動によるものであり、阿蘇カルデラ内で大きな地殻変動が検出された。特に阿蘇市での局所的な変動が注目され、阿蘇市内牧、狩尾、的石での大きな変動について研究が進められている。
我々は4月16日以降から現在にかけての合成開口レーダー(SAR)が得た阿蘇市周辺のデータを用い、その変動量の検出と精度検証を行った。本研究で実際に用いた最も古いデータは5月2日であり4月16日からは約半月のインターバルがあるが、5月2日以降も阿蘇市では度々震度3以上の地震が計測されており、それらの地震と地盤変動との関係について調べるため、観測地点の選定については画像内にある国土地理院の電子基準点の数だけ選んだ。その数はAscendingの画像内で10か所、Descendingの画像内で12か所となった。各々の変動量をグラフ化し、国土地理院の水準測量と比較したところ、大きいところで約4cmの差異を得た。しかし、小さいところだと1cm未満のもあり、その数も少なくなかった。このことから、合成開口レーダーの差分干渉解析での地震後の定期的な観測による地盤変動量の検出と発見について有意であるとし、今後は誤差の減少とキャリブレーションによる、より正確な地盤変動量の検出に繋げていきたい。