[G03-P02] 北陸3県における津波ハザード評価 ~将来の地震に対する災害軽減を目指して~
キーワード:津波、シミュレーション、ハザード評価、北陸地方、防災
太平洋側に比較して,筆者らの活動する日本海側はふだんから地震活動度が低く,津波被害の経験も少ないため現実感に乏しく,将来の地震や津波に関する防災教育を行うのが難しい面がある.こうした状況を打破するための手がかりを得るために,本研究では,北陸3県(福井県,石川県,富山県)を対象に,津波の発生が懸念される3個のM7.6の想定地震断層(若狭海丘列付近断層,能登半島北方沖断層,能登半島東方沖断層)について津波シミュレーションを行った.津波の数値計算プログラムには,(株)構造計画研究所のTSUNAMI-Kを用いた.断層モデルの設定には,“日本海における大規模地震に関する調査検討会報告書”を参照した.解析の時間刻みは0.01秒とし,地震発生から3時間経過するまでの津波伝搬を計算した.津波高さ,津波到達時間,遡上高さ,浸水域について,対象領域全体を俯瞰した結果,津波被害が特に甚大になると思われる地域として,能登半島先端の珠洲市が注目された.津波に先立つ地震の揺れ(震度)やそれに伴う液状化現象の発生率をJ-SHISの250mメッシュの微地形分類を用いた簡易評価法により算出し,津波も含めた複合災害として,珠洲市で予想された浸水域における津波避難について考察を行ったので報告する.