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[HCG30-03] 陸棲藍藻の宇宙環境に関わる遺伝子の検索
キーワード:藍藻、極限環境、陸棲、宇宙、遺伝子、ゲノム
光合成生物のシアノバクテリア(藍藻)は、私たちの生活に不可欠な酸素を、地球上で最初に作り出した生物であるとされる。原始地球環境は、生物に有害な紫外線が降り注いでいたが、水棲の藍藻が酸素を作り出し大気中に酸素が増えた事で、原始地球に降り注ぐ紫外線を吸収し遮断することができるオゾン層の形成が起こった。また、放射線エネルギーを吸収する大気の形成により、水生生物が進化し陸上での生命活動を可能にしたと考えられる。陸棲藍藻は耐乾燥性を有していることから、砂漠や南極などの過酷な陸上環境で棲息している。陸棲藍藻のゲノム解読が近年進められており、その情報を利用した研究が進められている。2017年にはイシクラゲ(Nostoc commune)藻塊から単離されたNostoc sp. HK-01(NIES-2109)のゲノム情報を用いて、極限環境適応に関わる遺伝子の解析を進めた。本発表は、ゲノム解読された様々な藍藻の遺伝子から宇宙環境に関係すると予想される遺伝子を検索し、物質循環と宇宙環境耐性について考察したのでその一部を紹介する。