[HDS07-P01] ネパール・ヒマラヤ,ランタン・リルン峰の懸垂氷河の崩落
キーワード:斜面崩壊、懸垂氷河、ランタン谷、ゴルカ地震
2015年4月25日,ネパールの首都カトマンズから北西に位置するゴルカ郡でM7.8,5月12日にはカトマンズから北東80kmでM7.3の地震が発生した.100回ほどの余震を含めたこの一連の地震により,ヒマラヤ高山の雪氷域では雪崩,氷河崩落,雪氷土砂崩落,土砂崩落などが多数発生した.カトマンズの北に位置するランタン谷では,地震により生じた2度の雪氷土砂崩落(6.81×106m3と0.84×106m3)により,ランタン村は雪氷土砂堆積物に覆われ,350名を超える犠牲者がでた(Fujita et al., 2016;Kargel et al., 2015).雪氷土砂崩落のトリガーは山岳斜面上部にある懸垂氷河の崩落や大量に積もった積雪の雪崩だと考えられている.懸垂氷河の影響を検証し,今後の防災対策に使用できるデータを作成するため,本研究ではランタン谷に面するランタン・リルン峰の南西壁と東壁を対象に,地震前後の空撮画像とGoogleEarthから懸垂氷河の分布図を作成し,懸垂氷河の崩落箇所を調べた.また,2017年4月,同年10月の撮影データとの比較と検討をおこなった.