日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-RE 応用地質学・資源エネルギー利用

[H-RE13] 再生可能エネルギー分野での地球科学データの可能性

2018年5月22日(火) 15:30 〜 17:00 303 (幕張メッセ国際会議場 3F)

コンビーナ:大竹 秀明(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 太陽光発電研究センター)、宇野 史睦(産業技術総合研究所)、島田 照久(弘前大学大学院理工学研究科、共同)、野原 大輔(電力中央研究所)、座長:大竹 秀明(国立研究開発法人 産業技術総合研究所)

16:15 〜 16:30

[HRE13-04] 陸奥湾の風況

*島田 照久1 (1.弘前大学大学院理工学研究科)

キーワード:風況、風力エネルギー、衛星観測、気象シミュレーション

洋上風力エネルギーは、豊富な賦存量と大規模開発が可能という点で、今後は再生可能エネルギーの中心的な存在になることが期待されている。北日本では、洋上風力エネルギー利用の検討と促進のため、詳細な風況観測、ゾーニング事業、洋上風車の設置検討が進んでいるところも多い。こうした取り組みを進める上で、風況マップのさらなる理解が求められている。 青森県については、陸奥湾の風力資源が着目されている。陸奥湾は内湾であるにもかかわらず、およそ東西方向に伸びる領域では、年間の平均風速が8.5m/s(100m高度)に達することが、最新の洋上風況マップNeoWins(http://app10.infoc.nedo.go.jp/Nedo_Webgis/top.html)によって示されている。現在計画中あるいは導入済みの洋上風車の多くは、港湾域など海岸の近くに限定されており、沖合の強い風を利用できていないことを考えると、湾内の大きな平均風速は大きなアドバンテージとなりうる。 これまでの研究により、陸奥湾は周辺地形とともに東西方向の地峡を構成しており湾中央部では東西風が卓越すること、北日本に低温をもたらす東風のヤマセが卓越するときと北西の季節風が卓越するときに、湾内で強風が発生することがわかっている(Yamaguchi and Kawamura, 2005; Shimada et al. 2010, 2012)。しかしながら、地形性強風の詳細な3次元構造や変動の理解はまだ十分でない。本研究では、陸奥湾で発生する局地的強風の理解を目指し、洋上風況マップのさらなる理解につなげることを目指す。