[HSC05-P09] 二酸化炭素マイクロバブル地中貯留における二酸化炭素溶解水の挙動に関する研究
キーワード:二酸化炭素地中貯留、二酸化炭素マイクロバブル貯留、フィンガリング
CO2地中貯留(以下CCSとする)においては、CO-2-が長期間にわたって安定的に貯留されることが必要となる。CCSの手法の一つとして、CO2をマイクロバブルにして地下水に溶解させた状態で注入する方法であるCO2マイクロバブル地中貯留(以下CMSとする)が提案されている。CMSは、注入したCO2溶解水の密度が周辺の地下水より相対的に大きいため、キャップロックのない地域でも安定的に貯留が出来ることが期待されている。これまで、CO2をマイクロバブルにすることによる溶解速度の優位性を検討する実験や、数値解析によって二酸化炭素溶解水の挙動に関するシミュレーションは行われてきたが、室内実験により、地下におけるCO2溶解水の圧入処理後の沈降挙動を調べる研究は行われていなかった。本研究では、BTB溶液で飽和したガラスビーズ中に、CO2溶解水を注入することで地下におけるCO2溶解水の挙動の検討を行った。
具体的な実験手順および得られた結果を以下に示す。アクリル板を用いて縦30 cm,横50 cm, 奥行3 cmの水槽を作成し、水槽中にBTB溶液を貯めたのち、直径1 mmのガラスビーズを詰めることで実験装置とした。実験装置の左右に水頭差を与えることで透水係数を測定したところ、1.32*10-2 m/s であった。また、装置の左右に水頭差を与えない状態で、CO2マイクロバブルを用いて作成したCO2溶解水を注入した。その結果、CO2溶解水が時間の経過とともに装置下方へと移動する様子が確認された。また、CO2溶解水の沈降時にフィンガリングが見られた。
次に、装置の左右に水頭差を与えることで、BTB溶液に流れを作りながらCO2-溶液の注入を行った。その結果、CO2は密度の影響で沈降しつつ、移流に乗って左右方向へ移動していくことが確認できた。このとき、移流の大きさによって、フィンガリングが見られる場合とそうでない場合があった。CCSを実施する場合フィンガリングが起こるか否かは地下水流速とCO2溶解量によって変わると考えられるが、フィンガリングの有無は溶解トラップおよび鉱物トラップの進行に影響を与えることが考えられる。そのため、CCSにおいて貯留性能を評価する上でフィンガリングを考慮することは重要となると考えられる。しかしながら、フィンガリングを考慮した数値解析は計算負荷の問題の為にほとんど行われていない。本実験の結果から、フィンガリングを考慮したシミュレーションを今後実施していくことの重要性が示唆される。
具体的な実験手順および得られた結果を以下に示す。アクリル板を用いて縦30 cm,横50 cm, 奥行3 cmの水槽を作成し、水槽中にBTB溶液を貯めたのち、直径1 mmのガラスビーズを詰めることで実験装置とした。実験装置の左右に水頭差を与えることで透水係数を測定したところ、1.32*10-2 m/s であった。また、装置の左右に水頭差を与えない状態で、CO2マイクロバブルを用いて作成したCO2溶解水を注入した。その結果、CO2溶解水が時間の経過とともに装置下方へと移動する様子が確認された。また、CO2溶解水の沈降時にフィンガリングが見られた。
次に、装置の左右に水頭差を与えることで、BTB溶液に流れを作りながらCO2-溶液の注入を行った。その結果、CO2は密度の影響で沈降しつつ、移流に乗って左右方向へ移動していくことが確認できた。このとき、移流の大きさによって、フィンガリングが見られる場合とそうでない場合があった。CCSを実施する場合フィンガリングが起こるか否かは地下水流速とCO2溶解量によって変わると考えられるが、フィンガリングの有無は溶解トラップおよび鉱物トラップの進行に影響を与えることが考えられる。そのため、CCSにおいて貯留性能を評価する上でフィンガリングを考慮することは重要となると考えられる。しかしながら、フィンガリングを考慮した数値解析は計算負荷の問題の為にほとんど行われていない。本実験の結果から、フィンガリングを考慮したシミュレーションを今後実施していくことの重要性が示唆される。