日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-TT 計測技術・研究手法

[H-TT19] 浅部物理探査が目指す新しい展開

2018年5月24日(木) 10:45 〜 12:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7ホール)

コンビーナ:尾西 恭亮(国立研究開発法人土木研究所)、青池 邦夫(応用地質株式会社)、井上 敬資(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構、共同)、横田 俊之(国立研究開発法人 産業技術総合研究所)

[HTT19-P06] 2014年長野県北部の地震に伴う地表地震断層を横断する極浅層S波反射法地震探査

*岡田 真介1高橋 直也2山口 和雄3住田 達哉3丹羽 雄一4小村 慶太朗5木村 治夫5 (1.東北大学災害科学国際研究所、2.東北大学大学院理学研究科、3.産業技術総合研究所 地質情報研究部門、4.中央大学理工学部、5.一般財団法人 電力中央研究所)

キーワード:極浅層S波反射法地震探査、2014年長野県北部の地震、神城断層、糸魚川-静岡構造線活断層帯

2014年11月22日に発生した長野県北部の地震(Mw 6.2)では,神城断層に沿って,長野県白馬村塩島から東佐野付近に至る約9.2 km区間で地表地震断層が出現した。地表地震断層の分布・変位量・性状や地表の構造物の変形等から,地表地震断層が出現した区間のうち中部~北部区間では,主断層と考えられる東上がりの逆断層が確認された。一方,南部の区間(神城盆地周辺)では,ガードレールや側溝の短縮変形が確認され,浅部では地震断層が低角化していることが示唆された。また南部区間ではトレンチ調査からも断層が低角であることが明らかになっている(奥村ほか, 1998, 地震2, 50, 35-51)。

本調査では,北部区間にあたる長野県北安曇郡白馬村大出において,地表地震断層の浅部地下構造を把握するために,2016年11月21~23日に極浅層S波反射法地震探査を実施した。地表地震断層を横断するように東西約300 mの測線を設定した。本探査では,カケヤによって板(0.2×0.4×1 m, 28 kg, 松材)の側面を叩くことにより,測線と直交方向のSH波を発生させた。受振器にはGS-32CT(固有周波数10Hz)を用い,サンプリング間隔は1 msとして,2秒のデータを取得した。発震点間隔及び受振点間隔は共に1 mとした。各発震点毎に96 ch分の信号を記録した。レコーディングシステムには,サンコーコンサルタント社製のDSS-12を用いた。本発表では白馬村大出において実施した極浅層S波反射法地震探査の結果について報告する。

本調査は,東北大学若手アンサンブルから助成を受け実施することができました。また白馬村の地元の方々には多くのご協力をいただきました。ここに記し感謝申し上げます。