[MIS08-P13] カッティングス試料を用いた非定常面熱源法による熱物性計測手法の開発
キーワード:熱物性、カッティングス、非定常面熱源法(ホットディスク法)
地下資源開発に関わる地球工学や地震発生帯を研究する地球科学の分野では,地下の温度構造を理解するために地層の熱物性を知ることが重要である。一般に行われているコア試料による測定は熱物性を精度よく容易に測定出来るが,コア試料を取得できない場合も多い。そこで,カッティングス試料しか採取されない場合においても熱物性を得ることが求められている。先行研究では測定時間を要する分割棒法による測定が行われた事例があるが,今回は迅速さや精度の優れる非定常面熱源法(通称ホットディスク法)を用いた測定手順を実験的に検討して提案した。本研究では,ちきゅうにより行われた南海トラフ地震発生帯掘削,通称NanTroSEIZEのC0009A孔において採取されたカッティングス試料とコア試料を用いて,実際の岩石試料においてのカッティングス試料による熱物性測定手法の確立を目的とした。まず提案した手法の確度検証を行うために,標準試料として均質で熱物性が既知の石英ガラスを用いた。ここで石英ガラスビーズとコア状石英ガラス試料の測定結果を比較し,手法の確度検証を行った。標準試料にて十分な確度が確認された手法を用いて,C 0009A孔のカッティングス試料とコア試料を用いて実験を行い,実際の科学掘削にて得られた岩石試料への適用と確度検証を行った。
石英ガラスでは十分確度の良い測定が出来た。岩石試料においても概ね確度良く測定出来たが,試料ごとのばらつきがあり,改善の余地がある。
石英ガラスでは十分確度の良い測定が出来た。岩石試料においても概ね確度良く測定出来たが,試料ごとのばらつきがあり,改善の余地がある。