日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS19] 大気電気学

2018年5月22日(火) 13:45 〜 15:15 201A (幕張メッセ国際会議場 2F)

コンビーナ:芳原 容英(電気通信大学 大学院情報理工学研究科)、鴨川 仁(東京学芸大学教育学部物理学科)、座長:森本 健志鴨川 仁(東京学芸大学 教育学部 自然科学系基礎自然科学講座 物理科学分野)

14:00 〜 14:15

[MIS19-02] 多地点LF帯センサによって標定された雷放電点と偏波パラメータの比較

★招待講演

*林 修吾1岸川 拓也2石井 正好1 (1.気象庁気象研究所、2.筑波大学)

キーワード:大気電気、偏波レーダ、雷センサー

雷雲内の粒子分布と雷放電極性分布を調査し,降水粒子がどのような振る舞いをしたときに雷放電が始まるのかを明らかにするために,三次元雷放電点位置標定のデータと国交省XバンドMPレーダーを用いて,大阪平野で2015年7月30日に発生した雷雨事例を解析した.その結果,上層の正電荷は氷晶や雪片といった比較的小さな粒子,負電荷はあられや雹といった比較的大きな粒子によってもたらされていた.下層の正電荷は,雷活動発達期ではあられなどの大きな粒子,最盛期では複数の種類の降水粒子,衰退期では液体の特徴を持った降水粒子によってもたらされていた.衰退期では,正の電荷を保持したあられが,上層から落下してくる過程で融け,下層で雷放電に関係したためだと考えられる.