日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-SD 宇宙開発・地球観測

[M-SD34] 宇宙食と宇宙農業

2018年5月20日(日) 15:30 〜 17:00 202 (幕張メッセ国際会議場 2F)

コンビーナ:片山 直美(名古屋女子大学 家政学部 食物栄養学科)、座長:片山 直美(名古屋女子大学 家政学部 食物栄養学科)

16:05 〜 16:20

[MSD34-03] 宇宙食として利用したいスープの食味評価

*佐藤 佳奈1中山 ゆい2近藤 祥子2片山 直美1,2 (1.越原学園名古屋女子大学、2.越原学園名古屋女子大学大学院生活学研究科食物栄養学専攻)

キーワード:宇宙食、スープ、食味評価

宇宙船内は機器類の性能維持と環境整備のために湿度が低く抑えられている。そのことは、人体において不感蒸泄を促すため、十分な水分補給が必要となる。宇宙食は重要なライフサポートシステムである。食事は単に栄養補給をするだけではなく各国の宇宙飛行士にとってコミュニケーションツールでもある。全世界の宇宙飛行士が安心して食べられる宇宙食の開発が求められているため、スープを工夫することは有効である。

 今回、提案する3種類のスープは7種類の野菜のスープ、クラムチャウダー、オニオンブルーデである。7種類の野菜スープはトマトベースで各種野菜のミネラルを十分に補給できるように考えられている。クラムチャウダーは亜鉛補給とミルク仕立てであるためカルシウムンの補給を考えている。また、オニオンブルーデは玉ねぎの栄養素すべて利用し、栄養価を高めている。食味評価を 125人(男性29人、女性96人)で行い、評価項目は味、香、見た目、量、総合をそれぞれ10点満点で評価した。

 結果、クラムチャウダーが最も高い食組評価で平均値±SDは味8.8±1.8、香8.5±1.9、見た目8.5±1.9、量8.1±2.1、総合8.6±1.7であった。他スープも高い評価であった。

 ミネラルやビタミンがすべて食事としてとることができるスープは今後の宇宙食開発に必須であると考える。さらに今後はアレルギーや宗教にマッチしたスープを考えたい。