日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[EE] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-TT 計測技術・研究手法

[M-TT35] 高精細地形・地球物理データ解析

2018年5月20日(日) 13:45 〜 15:15 A03 (東京ベイ幕張ホール)

コンビーナ:早川 裕弌(東京大学空間情報科学研究センター)、Gomez Christopher(神戸大学 海事科学部 海域火山リスク科学研究室)、楠本 成寿(富山大学大学院理工学研究部(理学))、座長:Christopher Gomez(神戸大学)、早川 裕弌楠本 成寿

13:45 〜 14:00

[MTT35-01] スバールバルの地学調査におけるUAS運用の安定性の検討

*李 在庸1小口 高2早川 裕弌2 (1.東京大学大学院新領域創成科学研究科自然環境学専攻、2.東京大学空間情報科学研究センター)

キーワード:ドローン、スバールバル、写真測量

小型クァードコプタードローンは軽量、便利、安価であるため、画像や数値データといった多様な空間情報の収集に活用されている。しかし極地の研究ではドローンの活用はまだ少ない。その理由として、ドローンに搭載可能な重量や装備の限界という内部的要素のほかに、機体の耐久性を低下させる気候条件や操縦を困難とさせる厳しい環境が考えられる。さらに極地ではGNSSの受信環境が劣り、デジタルコンパスの誤差も大きいため、これらの装置に依存するドローンの安定的な飛行に制約があると認識されており、メーカーも極地での飛行を推奨していない。しかし、一般的な極地調査の際には、位置の把握に際してGNSSが広く使われているといる。

本研究では北極圏のスバールバル・ロングイヤービンでの地学調査のために、極地でのドローン運用の可能性をGNSSの精度・コンパスの誤差・気象条件の観点から検討した。ロングイヤービンと日本の柏の葉でホバリングテストを行い、飛行安定性を含むドローンの姿勢維持の誤差を測定し、実際に安定的な運用が可能かを従来の認識と比較しつつ検討した。また極地でのドローンの飛行に対する様々な悪条件を想定して、飛行のためのマニュアルを作成した。