日本地球惑星科学連合2018年大会

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[JJ] ポスター発表

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[O-02] 高校生によるポスター発表

2018年5月20日(日) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7ホール)

[O02-P71] クレーターに伴うレイの構造の解明

*増田 吉起1宮﨑 悠人1、*鈴木 万結子1岡田 美鈴1、*金澤 涼夏1、*中江 雪乃1 (1.大阪教育大学附属高等学校天王寺校舎)

キーワード:クレーター、レイ、イジェクタ、再現実験

1.研究背景・目的
クレーターを中心として放射状に広がる模様をレイ(Ray)または光条という。我々は教室規模のクレーター再現実験ができることを知り、その方法を改良して月面のレイを再現出来ないかと考えた。この研究では隕石衝突説を基に片栗粉、ベビーパウダーを用いて再現実験を行い、レイを構成するイジェクタは隕石本体または地面のどちらに由来するのかを調べた。

2.研究方法
レイが細かい物質であることからスケール効果を考慮し、「隕石」には片栗粉、ベビーパウダーを使用した。ココアパウダー、粉砂糖などいくつかの種類の粉も試したが、片栗粉、ベビーパウダーが適していると判断した。衝突時の運動エネルギーを測定しやすくするため、高さを固定して隕石モデル(片栗粉の球体、鉄球)を自由落下させた。粉の球体は2つの計量スプーンを用いて作った。
1.何もない床に粉を落とす場合を考えた。まず、計量スプーン2つを用いて片栗粉の球体を作った。それを高さ25、50、75、100cmでそれぞれ5回ずつ黒シートに落とした。そして、粉の広がりをレイとして、落下点から8方向に番号をつけ、番号ごとに着地点からの飛距離を測定し記録した。また、8つの平均値をレイの半径とした。全体の写真を撮った(図)。
2.粉を敷いた床に粉を落とす場合を考えた。まず、食用色素を使って青い片栗粉と赤い片栗粉を作った。そこから半球型の計量スプーンで赤い片栗粉の球体を作った。また、青い片栗粉を直径が球体の4倍になるよう白シートに敷いた。赤い片栗粉の球体を青い片栗粉に落とし、粉の広がりを写真で記録した。
3.粉を敷いた床に鉄球を落とす場合を考えた。ベビーパウダーを敷いた上に穴を開けた薄い板を設置し、穴に鉄球を落とした。そして、穴から飛散したベビーパウダーの広がりを記録した。

3.結果
実験1において衝突時の運動エネルギーとレイの直径のグラフに正の相関が見られた。この結果は先行研究と一致する。実験1・2どちらにおいてもレイに類似した模様を確認することができた。実験3の結果・考察についてはポスターセッションで詳しく発表する。

4.考察
レイを構成するイジェクタは隕石と地面の両方に由来する。しかし、レイ全体の内、地面由来の方が割合は高い。レイ形成には地面の物質が大きく関係していると考えられる。

5.今後の課題
・本研究の実験は空気抵抗があったり地球の重力があったりと、月面とは違う環境下であった。このことから、再現実験の妥当性を検討する。
・実験1・2において粉を落とす際の手動による作業を機械化できなかった。そのため、条件にばらつきがでてしまった。
・実験2の実験結果が視覚的な判断であるため数値化など正確な情報処理方法を考えたい。