[O02-P74] 立川断層によって形成された霞川低地を埋積した縄文時代の洪水堆積物
キーワード:霞川、立川断層、縄文時代
武蔵野扇状地を西から東へ流れる霞川は途中で立川断層を横切る.立川断層は北西-南東に連なり北東側が隆起する活断層である.過去の断層活動により霞川上流が堰き止められ盆地状の平坦な地形が広がっている.霞川の改修工事により数メートル掘り下げられ,多数の土器片や植物片を含む地層断面が出現した.土器片には羽状縄文,平行沈線文,浮線文,山形押型文等が施されており明らかに縄文時代のものである.また植物片には多量のトチ,オニグルミ,ナラやカシの幼果や殻斗が含まれている.これらのことから縄文期の初秋に洪水が発生し乱堆積したことが分かった.この時期の近辺に立川断層の活動があったことが推定される.