[O02-P75] 長野県大町における黒部川花崗岩のジルコンU-Pb年代
キーワード:黒部川、花崗岩、ジルコン
長野県大町市の西部には、地球で最も若い花崗岩があります。先行研究で今までに発見されている一番若いものは、黒部川花崗岩体の中心部で約80万年前のものでした (Ito et al., 2013)。私達は、それより若い花崗岩の発見を目標として、黒部川花崗岩体の南東部にあたる扇沢地域の奥小沢で花崗岩を採取し、ジルコンを分離して年代を測定しました。まず、採取した2つの花崗岩試料「奥小沢1, 2」 (それぞれ約2 kg) を、ハンマーと乳鉢を使って試料を粉末になるまで砕きました。次に、粉末を椀かけして重鉱物だけを分離しました。そして、その中から針でジルコンを1つずつ取り出しました。奥小沢1 が56粒, 奥小沢2が50粒のジルコン計106 粒について、学習院大学理学部化学科のLA-ICP-MSを用いてU-Pb年代測定を行いました。その結果、どちらも約100~120万年前という年代が得られました。最も若いジルコンは、奥小沢1が73万年前、奥小沢2が84万年前のものでした。